ORIGINALS 4つの選択と組織カルチャー

少し前になるが、アダム・グラントの「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代」を読んだ。彼の著作は3冊読んだが、どれにも凄く影響を受けた。 誰にでも個性やクリエイティブティはある。しかし、それが発揮できるかどうかは、個人の問題だけではな…

「どう生きるか」 物語の様に生きる

90歳も近い大御所の一橋大学名誉教授 野中郁次郎さんが言う。 「『経営』は生き方であり、生き方は『物語』で表現される。 だから、戦略には『創作』が入っていい。」 そう、戦略は「ナラティブ(物語り)」なのだと思う。そもそもビジネスがどう展開するか…

正義を飲み込まないで行動するために

4/5日経新聞の「誰のために働きますか」を読んだ方も多いと思う。今まで僕も何度か書いている企業の不祥事に係わる鋭い指摘だ。 記事によると、企業の「不適切行為」は増加している。その原因を三菱電機の社員の話が明確に指摘していると解釈できる。「同僚…

ロングゲーム 人生を味わっているか

「ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために(ドリー・クラーク著)」の話をしよう。たくさんインスパイアされた本の一つだ。引用しながら感じていることを書いていこう。 「何かを始めるには、まず起動時間がかかる。たとえ最高レ…

壁打ちの修行は上司の基本

「壁打ち」とは何なのかご存じだろうか。昔空き地に作られた「ネットの線の書かれた緑の壁」に向かってひとりテニスを楽しむことと、思い出すかもしれない。実はもう一つ重要な意味がある。壁の役になってあげて、聴き役に徹し会話の相手になることを言うの…

パクリが昇華されるとオリジナルになる

山口周さんという思想家がいる。著作を読んだこともあるし、時々彼の”X”も読む。彼は、自分の書いていることなど全部パクリだ、なんて自虐的なことを以前に言っていた。誰かの言っていることをパクリだと批判している人がいたから(その手の批判ばかりする人…

グッド・ライフ ~今を生きよう!~

「グッド・ライフ 幸せになるのに遅すぎることはない」 ロバート・ウォールディンガー著 を読んだ。この中にとても共感した一節がある。 「生涯に手にするお金が、全額手元にあるという前提で人生を始めると想定してみよう。生まれた瞬間に一つの銀行口座が…

過去から学ぶ ~孔子の言葉に驚く~

ご存じのように論語は「子曰く」で始まる。孔子の思想を孔子と弟子たちの問答を通してまとめたものであるから、「孔子先生が言うには」と始まるのだ。 最近その論語の解説本を読んだ(といってもAudibleで聴いた)。論語に触れたのは人生でそれが初めてだっ…

好奇心が人間関係の起点 ~部下との信頼関係構築のポイント~

デール・カーネギーの名著「人を動かす」の中に「人に好かれる6原則」がある。その一番目が「誠実な関心を寄せる」だ。人が最も関心を寄せるのが「自分自身」のことだ。だから、自分のことに関心を寄せてくれる他者を受け入れ、好意を寄せる。逆に関心を持っ…

Beを開示しヘルプシーキングすることが生きやすくなるこつ

" data-en-clipboard="true">精神的、心理的コンディションやモチベーションは揺れ動く。それが人間というものでしょ、と言うかのように勝手に動く。でも、その理由はよく分からなかったりする。 " data-en-clipboard="true">今の自分の状態、存在しているこ…

主権在民は国民が判断力を有することが前提ですね

国民主権とか主権在民という言葉がある。中学で習った記憶があるが、現在ではあまり使われなくなってしまった。 国民が政治を決定する。言い換えれば、世論がすべてを決めると言っても過言ではないだろう。国民は何をもって判断するのか。第一は情報、即ちマ…

ORIGINALS  人生は波風だらけのはずなのに

最近読んだ本「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代 アダム・グラント」にインスパイアされ少し書きたいと思う。 創造力のあるユニークな考えを持っている子供は生きづらい。教師が問題児として扱うからだ。それに子供たちは気付く。教師が望んで…

トヨタと日本 一連の不正の裏に横たわる日本らしさ

皆さんもニュースに気付いたことと思うが、先日トヨタグループで新たな不正が見つかった。日野自動車(2022/3)、ダイハツ(2023/12)、そして豊田自動織機(2024/1)だ。あまり大きく取り上げられていなかったが、実はそれ以外に販売店11社での車検不正(20…

建前と本音、裏と表。呆れかえるそのギャップを前に・・・

トーマス・ジェファーソンをご存じだろうか。アメリカ建国の父と称される「アメリカ独立宣言」起草者であり、第三代アメリカ大統領である。 彼は人間の平等を訴え、奴隷解放の立場を一貫して取っていた。一方で200人とも600人とも言われる奴隷を所有していた…

2024 恐ろしい扉が開いてしまうのか

今年はアメリカ大統領選挙が行われる。誰もがバイデン対トランプだと予想している。そのような最中イスラエル・パレスチナの戦争だ。バイデンはイスラエルを全面支援する姿勢を示しているが、イスラエルのハマス殲滅行動で民間人が大量に犠牲になる事実を前…

前向きなフィードバックは充実感を連れてくる

「充実感」を感じた時を想像してみてください。 僕は満たされた感覚や精神的な幸せを頭に描く。日々充実した時間を送れたと実感できれば、こんな幸せなことはない。しかし、「あなたはどのような時に充実感を感じますか?」の問いかけに、「何かを完遂した時…

ぐうの音も出ない「バイオリージョン」とは ~成長から成熟へ~

年末に様々な雑誌で2024年予測とか2030年予測というような将来を洞察する特集が組まれた。いくつかを斜め読みしたが、今年は大荒れになりそうだ。それは記事を読むまでもなく、既に存在していた昨年後半からの動きが一層加速化するという流れが呼び覚ます直…

民主主義の未来 日本の役割は

戦後生まれの僕たちは民主的な国に生まれ育った。もちろん日本的な特徴はあるものの、民主主義国家の典型だろう。それが当たり前に感じてしまっているが、世界を見渡せばそれが当たり前ではないことに気付く。 スウェーデンの研究所が、世界の民主主義の状況…

Giverの人生

アダム・グラントは言っている。「社会通念によれば、大成功を収めている人々はみな、モチベーション、スキル、チャンスの3つを持っているという(中略)。しかし、実は4つ目の要素がある。他者との接し方だ。できる限り[自分のために]価値を得ようとする…

ダイハツの検査不正で締めくくることになってしまった2023~日本企業は考え直す時~

今年ももうお終いという時に、また大企業の不祥事が起きてしまった。ダイハツの検査不正だ。皆さんもメディアの報に触れられたと思う。工場は全面停止し、いつ再開できるかの目途も立っていない。 日経新聞によれば、検査不正は64車種3エンジンに及ぶという…

自民党の驕慢ぶりに呆れかえる

" data-en-clipboard="true">その自民党の驕慢(きょうまん:驕りたかぶること。人を侮って勝手に振舞うさま)ぶりがひどくなっている。かと言って野党の実力不足は目を覆うばかりの状況が続き、野党に政権を委ねる気にはならない。自民党は国民を舐めている…

柔軟な働き方がもたらすギフト

柔軟な働き方を決める要素はどのようなものだろうか。 例えば、勤務時間、勤務場所、使うITツール、考えるためのフレームワーク、フォーマットや承認ルールなどなどを思い浮かべるかもしれない。それらのものがとても柔軟な組織と、縛りがきつい組織がある。…

会議は2時間が限界?。さて、あなたはどうしますか?

COURRiER Japonは「米IT大手『スラック・テクノロジーズ』が世界中のデスクワーカー1万人以上を対象に調査したところ、大半の回答者にとって会議は2時間までが限界だという結果が出た」と報じている。これによって集中できる時間が不足し生産性が落ちる問題…

皆にいずれ来る卒業とはどのようなものか、考えてみた。 

人生に「卒業」があるとしたらどのようなものなのだろうか。 例えば、「欲」がなくなってしまったら・・・ を想像するとイメージが湧きやすいのかもしれないと考えた。想像してみる。 もし、こんな気持ちや動機がなくなったら、それが「卒業」というものではな…

上質で価値の高いアウトプットを出すことがビジネスの本質だが・・・

ビジネスパーソンの仕事の本質は、上質で価値の高いアウトプットを出すことだろう。なぜ「上質」と「価値の高い」の二つを並べたのか。「上質」は絶対的な審美を追求した結果生み出されるものでしょう。プロなら質を追求してほしい。しかし、顧客の期待を少…

倫理より優先するものがあるのか

上司の命令は倫理より優先するのだろうか。 もちろん違う。しかし、第二次世界大戦時の上官の命令は絶対だったし、自分以外のまわりの人々が行おうとしている行動が、どう考えても間違っていると思っても、一人だけ反対する勇気が出ず、空気を読んで止められ…

自分に問いかける「なぜ」

少し前ですが「ツイン・エネルギー」(関京子著)を読んだ。最近男性性・女性性にとても興味を持ち、いろいろ考えているときに友人から勧められた本だ。人間は人の関係性の渦の中で生きているのに、とても雑な生き方をしている人が多いと思う。もちろん僕自…

建白魔 渋沢栄一が今の時代に生きていたら…

" data-en-clipboard="true">日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一氏のことは皆さんもご存じのことと思う。2021年の大河ドラマ「青天を衝け」のモデルだったし、来夏に発行される新一万円札のデザインになることも有名だ。 " data-en-clipboard="true">さて…

壁に対処するリーダーの力量とは

僕たちが特定の組織に帰属し続けるということは、その組織が僕たちに何らかの魅力を与え続けているからだと言える。その魅力は4つの非経済的魅力として整理されている。それをHR4Pと言う。 ①理念や方針(Philosophy):組織が達成しようとしている目的に対する…

界隈(かいわい)のデザイン

「それでも今の居場所でいいですか?」(蓮村俊彰)という本が出ている。要旨を読んだだけなのですが、あなたの周辺の人間関係をデザインすることで人生をポジティブに変えることができる、という主旨らしい(ネット記事を参考に想像したもので、言い切れま…