不作為の過誤 その2

前回の続きを書きます。まだお読みでない方は是非読んでから本編をお読みください。 いわゆる新規事業、即ち既存事業とは全く異なる製品やサービスを開発したり、開発するのではなくスタートアップを買収することによって、その分野に進出することを考えてい…

不作為の過誤 その1

今回は「不作為の過誤」というテーマで書いてみたいと思います。「不作為の過誤」とは、行うべきことを行わなかったことによって引き起こした過ちのことです。僕が注目したいのは、日本企業が起こしがちな、判断の遅れ、躊躇、全会一致という無責任、不明確…

日本の向かう道を前提を変えて考える

この前に変化について書きました。そのベースは、日本は競争にどのように勝ち抜いていくかという価値観がベースにありました。しかし、今日は原点に戻って少し考えてみたいと思います。 日本の向かう方向はどこなのでしょうか。少子高齢化が与えるネガティブ…

大きな変化を見ようとしない日本人

ドナルド・トランプ氏が次期大統領に確定しました。僕が選挙戦の中で驚いた変化はイーロン・マスク氏のトランプ支援表明でした。莫大な資金の提供やトランプ支援者へのキャッシュのばら撒き。これには驚きました。元々トランプ氏はEVを否定していました。選…

失敗から学ぶ ~意図的な部下育成~

皆さんは部下や同僚に「失敗をする自由」を与えているだろうか。経験の浅い社会人に失敗するなと言っても、そもそもやったことのないことにチャレンジしているわけで、学習のないままその結果を想像することなどできるわけもない。基礎知識を教え、ケースス…

新しいリーダーの覚悟と計画性

多くの企業のビジネスサイクルは4/1から始まる一年の繰り返しです。その中には、組織再編、人事異動、戦略のアップデート、オペレーションの変更などが含まれます。そこで考えなければならないのがリーダーの変更です。前回書いた「サクセッション」のことで…

トランジション・サクセッションを考える

会社員としてのトランジション(遷移・変化・異動)はいろいろな形で訪れる。異動命令、新たな仕事のオファー(異動と違い「やってみないか」と機会が打診される)、ミッションの追加(今の仕事を継続した上で、アドオンのミッションが与えられる)、もちろ…

「他者を通して己を図り直す」

朝ドラを観ていますか? 僕は「虎に翼」を欠かさず観ていました。終わってしまったのが残念です。少し前ですが主人公の猪爪寅子(「ともこ」と読む)判事が部下から「あなたは自分の考えがいつも正しいと思っているでしょう」とグサッと言われたシーンがあり…

集団的効力感を意識したリーダーシップ

「集団的効力感」僕はこの言葉を知っただけでなんだか嬉しくなりました。そこにたくさんのヒントがあるように感じたからです。 問題の本質に向き合うと、足がすくむなど、自分の力ではどうしようもできないなと思ってしまう。場合によると、気付かなかったこ…

ウォーキングと創造性とエンゲージメントの微妙な関係

今回のブログはウェイクアップ・リーダーズ・マガジン8/2に掲載していただいた記事を加筆して再掲したものです。このマガジンには興味深い記事が多数掲載されていますので、お時間のある時のどうぞ。リーダーズマガジン (wakeup-group.com) アメリカの保険会…

老境や老衰はひたひたとやってくる

70歳になりました。60歳の時は何も感じませんでしたが、「70」という数字は何というか「ついに来たか」という人生終盤のスタート感を意識せざるを得ない空気が漂っているようです。それは、私の父が70歳で亡くなったことと無関係ではないのでしょう。とはい…

第三の自分

サードプレイスという言葉をご存じだと思います。スタバのメッセージにも使われていましたね。私も初めて知ったのはそれでした。スタバの意味するところは、「自宅でも職場でもない、第三のリラックスできる場所」というものでした。いい感じですよね。特に…

women and low T men なんだそれ!

誤解を恐れず書いてみたいと思います。 男性性、女性性の話を以前に書きました。主旨としては強すぎる男性性は今の組織にマイナスの影響を与えると考える、というものでした。 最近のアメリカ大統領選挙の流れを見ていると、あることに気付きました。その気…

笑みが溢れている ~ダイバーシティーと求心力~

創造力(クリエイティブティー)のあるユニークな考えを持った子供を、教師は問題児として扱う。これは教育現場で起こりがちなことです。子供は敏感ですから、それに気付いたら、次第に望まれるものは何なのかを考えて答えるようになります。こうしてオリジ…

経営サイドと従業員の感覚のギャップ

経営サイドと従業員の感覚のギャップが時々指摘される。 例えば、1on1。従業員に1on1を実施してもらっていますかという問いに対するYesと答えた割合と、管理者に同様にやっていますかという問いにYesと答えた割合は、顕著に前者が少ないのは知られています。…

プレゼンティーズムに対処する ~リーダーが知るべき真実~

先日友人(元クラアイント)から教えてもらいました。凄く腹落ちする指摘でしたので共有しますね。 それは東京大学 先端科学技術研究センター 松尾朗子特任助教、熊谷晋一郎助教授らの研究グループの論文です。 謙虚なリーダーのもとで心理的安全性が高まり…

「意味のある人生」を考える

私達一人ひとりに「意味のある人生」があります。しかし、「あなたにとって意味のある人生とは?」と問いかけても、「考えたことがない」と答える方が多いと思います。本当はあるはずなのに、そう問われるととっさにそう答えるのです。私は、自分に向き合っ…

Culture eats strategy for breakfast  ~企業文化を考える

ピーター・ドラッカーのことは皆さんもご存じのことと思います。1909年生まれでありながら今でも尊敬される経営学者ですね。彼が書いた名著「現代の経営」は私が生まれた年1954年に書かれたものです。彼が言った「マーケティングとイノベーションが企業にお…

This night won't last forever 明けない夜はない

人は常に不安につきまとわれています。気付くと隣に座っている感じ。自分を自己効力が高いと感じている私ですら、1年くらい精神的に靄の中に居続けた時もありました。私の場合は一種の不安が突然日中に襲ってきたのですが、多くの方は夜にまとわりつく感じと…

考えさせられる「本音で話せない日本の職場」

先日「ありのまま」の自分を出して働いているかどうかの話を書きました。 「ありのまま」ってなに? ありのままに生きたい僕の考え - Heaven's Kitchen / 清水のブログ by Seed Master Consulting (hatenablog.com) その後パーソル総研の「『本音で話さない…

かつてのブーストが効かない人材育成。どうする?

昔は、初めが肝心とばかりに新人の時に徹底的に鍛えられたものです。特にコンサルはそうでした。入社した若手もそれを承知で入っていました。昼も夜も休日もなく働いたのです。まるで徒弟制のように上司にダメ出しされては、やり直しました。コンサルでは、…

「ありのまま」ってなに? ありのままに生きたい僕の考え

「ありのまま」ってなに? 取り繕う必要のない、真っ新な自分、飾る必要のない・・・、という感じだろう。 僕たちは、毎日取り繕って会議に出たり、上司との1on1に臨んだり、業務報告書を書いたり、年間目標をプレゼンしたりするような生活を送っていて幸せだろ…

自分の道 オーセンティック・リーダーシップ

先日管理職の罰ゲームの投稿で、”「正義」「公正」など正しい道を歩むという価値観“ の話を書きました。もう少し書き足したくなってきました。 リーダーシップの話です。近年「オーセンティック・リーダーシップ」という言葉が使われています。オーセンティ…

管理職の罰ゲーム化から脱皮するには

Harvard Buisiness Review7月号の巻頭記事にこんな調査データが載っていました。 「マネージャーの責任はかつてないほど多様になっている。最近の調査では、マネージャーの54%が仕事に起因する疲労やストレスを抱えているが、一方、自分のマネージャーが今…

安全な職場を再度理解しましょう

2024年も半分が過ぎました。年々速く感じる時の流れ。加齢とともに加速化するようです。これには抗えないのが残念です。 エイミー・エドモントン教授をご存じだろうか。リーダーシップやマネジメントをハーバード大学で教える社会学教授だ。彼女が有名になっ…

間違ったフォロワーが組織を迷路に連れていく残念な事実

今年はAudibeleを聴き始めて読書量が増えてます。乱読のせいで気付いたことがあります。それは本屋大賞などの受賞小説を読み重ねると、食傷気味になることです。「不条理」を感じるシナリオがとても多いことによります。要するに「不条理疲れ」に陥るのです…

「成功の方程式」ってきっとこんな感じ

僕たち社会人は、ビジネスの成功を追い求めます。もう少し分かりやすく言うと、商売の成功です。企業の機能を枝葉を全部除いていけば、要するに「商売」だ。 では、商売の成功とは何なのだろうか? それは「金儲け」。価値あるものを創り、それを必要な人に…

新年度スタートから100日が経とうとしています。組織変革は進んでいますか?

新年度の幕が開き最初の四半期が過ぎようとしています。ミッションが変わるなどして、組織の問題を理解し変革に向き合っているリーダーも多いと思います。そこで、今回は組織に何らかのメスを入れようとしている方々に、ヒントになることを少し書きたいと思…

強すぎる男性性 企業カルチャー変革の視点

以前に男性性・女性性の話を書きました。今日はその続きとして、分かりやすく男性性の強い社会のことを書きたいと思います。 以前に紹介した通り、ホフステードの調査によると日本は世界で最も男性性の強い国です。これは多くの皆さんが実感していることだと…

吉田松陰とモチベーション 心に潜む「グレムリン」と闘う

Audibleを使い始めてから、今までだったら手に取ることはないだろうと思う本を読むことが増えました。その一つが「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰」 僕は萩を2回訪ねたことがあるし、多少は一般的な知識はあったが、特に好きな人物というわけではなかった。読ん…