存在の自信

強みは掛け算で捉えられると思います。多くの場合、多様な強みは相乗効果を発揮するように感じるからだ。(同時に掛け算ですから、どれかが0だと結果も0になる。)

私の強みって何だろう。と考えてみる。過去にいろいろなフィードバックがあったとしても、どうしても主観的にはなってしまうことに気付いた。結局、書き出すと似たものが出てくるが、自分では区別したいと感じる。強みといっても、皆大したことはない。他者より多少特長がある程度だと捉えてください。

創造力 構想力 洞察力 決断力 行動力 忘れる力(悔やまない) 自制力 意志の強さ 慧敏性 任せた以上結果は恐れない なるようになると開き直れる 自己効力が強い こう見えても結構謙虚 苦労している友人、困っている友人を助けたい(利他心) 忍耐力 発信力 努力 オーナーシップ 運命と捉え逃げない 明るく照したいという思い 出し惜しみはしない ・・・ 

というような感じだろうか。自分で言語化してみると、我ながら結構能天気な奴だなとも思う(笑) 今まで、結局なるようになってきた。これはもちろん運も重なった結果だ。いやいや、つくづく運がいい奴だと感じる。

僕のことはどうでもいい(笑)。

さて、強みの掛け算とは存在の力ではないだろうか。人は存在に自信を持ちたい生き物だろう。アイデンティティと言い換えてもいいでしょう。それは自分を見つめて、強みを言語化することで認知することができますね。

認知出来たら、あとはそれを利用しましょう。意図的に利用するのだ。それができれば人生は明るくなる。目の前がクリアになるでしょう。自分の特長を利用することは、影響力の拡大につながると思う。掛け算を利用すればそれは更に拡大するはずだ。影響力はコミュニケーションを増やし、繋がりの輪は広がっていくでしょう。人生はますます充実したものになっていくのではないだろうか。

 

ということで、自分の強みを言語化することをお勧めします。同時に、身近な人たちからフィードバックをもらってください。驚くような指摘があるはずですよ。それも楽しんでください。今後の人生に必ずプラスになりますから。

強みを認知できれば、辛い上り坂も前向きに力強く登れると思います。
@高尾山

 

幹部の悩みを整理してみる

エクゼクティブコーチングやコンサルティングを始めて3年半。多くの企業幹部・管理職と話をしてきました。クライアントの悩みを私なりに総括してみたい。

圧倒的に多いテーマは二つ。まず第一にHR関係。とはいえ広い。人財育成、組織活性化、エンゲージメント向上など、人と組織に関係するものだ。もう一つが、中期的な成長戦略の立案と実行だ。もちろん、二つは関係していますね。

それぞれは広く深い。前者であれば、採用やリテンションもあれば、1on1の有効性向上もあるし、風通しを良くするとか心理的安全性を上げるとかのカルチャーに関係しているもの、更に評価やローテーションなどもある。後者だと、中期経営計画の策定方法や、実行に移すプロセス、末端までのオーナーシップ浸透、センスメイクプロセス、ステークホルダーとのコミュニケーションM&Aやカーブアウトなども含む戦略思考のレベルアップなどなど多岐にわたります。

いずれにしても、まるっと言うと人と戦略にフォーカスしていることがよく分かります。考えてみれば当然なことかもしれません。

 

言えることは、近年特にHRに係わる課題が表面化してきたことです。2017年に発表されたギャラップ社の「熱意あふれる社員の比率」が、日本が最低レベルだった記事は、あまりにもショッキングで、その後もたくさんのメディアに引用され、ほとんどの日本の企業人の知れることになり、そこからエンゲージメントとか、ウェルビーイングだとかがいかに重要かの議論が沸騰してきたわけです。それは私自身もヒシヒシと感じるところで、私の学習の対象もHRに重みを置いてきました。2年以上前に、ある上場会社の依頼を受けて人事のコンサルティングを1年余り行いました。まだ、何も手を打っていなかった同社の改革をサポートしたのです。毎月議論し、できることから即スタートしました。僕は元々HRのプロではありません。しかし、40有余年のサラリーマン人生の中でコンサバなHR施策が組織カルチャーに及ぼす悪影響や、管理者や幹部の知識や動機の低さが企業の変革の足を引っ張っていることを、忸怩たる思いで見続けてきました。そして、全社のHRに関係するタスクフォースに入ったり、人事のサポートをしたり、多様な場で話をしたりするプロセスで、気付き、学び、情熱を深め、意見を言ってきたつもりです。私自身の本業(担務)とは関係ないのですが・・・。しかし、重要なミッションだと自覚していたから率先して汗をかいてきました。そんな経験は実は今の仕事に強く関わっています。その会社においても、特に若い人事担当者の賛同を得て多様な施策を展開してもらいました。やはり幹部のコンサバさは障害になりました。人事担当者も苦労していました。その時私は、現実を直視できるか、直接若い社員の生の声を聴いているのか、即ちどれくらい幹部がオープンなのかなどが、キーポイントだと痛感しました。

結局は、HRにまつわるトレンドが理解された現在においても、いや、理解されたからこそ先ほど書いたように、優秀な幹部の悩みの多くはHRに絡むことであり、私が今でも注目している対象なのです。結局、僕はここ数年あまり、多くのHRにまつわる講演を聴き、Web上で知見を漁り、学び、考えてきました。このブログの中でもHRに関することが非常に多いことは、読者の皆さんもお気づきのことと思います。今は、世の中に上質な情報はたくさんあります。手を伸ばせば手に入る。しかし、学んでいない人があまりに多いと感じます。それが残念でなりません。

 

そして、戦略面。企業で働いた期間、嫌というほど戦略を考え続け、方向修正や新しい取り組みを行ってきました。もちろん、基本的なフレームワークなどは学んだつもりだったが、果たしてそれは体系化され身についていたのかは、今となってはダメだしせざるを得ません。付け焼刃だったということです。ということで、去年の暮れからグロービス学び放題」を契約し、学び直しています。改めて整理をされたインプットを得ることによって、今まで私がコーチングしてきた内容とリンクし、整理された形で形式知しています。言い換えると、私の経験と経営学がリンクし再生可能な形で私の脳の引き出しに格納されたわけです。私は、企業を卒業後にそうしましたが、現役の幹部・管理職の方たちも継続して学び続けることを強くお勧めします。経験と(体系化された)知識は掛け算だと思います。両方あれば広さも深みも何倍にもなるということですね。

 

話しは戻りますが、それら2大テーマの次は何だと思いますか? これも非常に多い悩みです。「忙し過ぎる」という問題。思わず笑ってしまうかもしれませんね。なぜ問題なのか? 忙しいことが問題なわけではありません。忙しくてやるべきことが何なのかが分からなくなり、日常の足元のイシューに追われているということが問題なのです。分かります? なんで忙しいか。会議、資料作成、レビュー、決裁、予算、トラブル対応などです。更に悪いことにコロナ禍のせいもあり、Outlookはフルに公開され、部下が勝手にスケジュールを入れてしまうという意思のない行動に甘んじています。結局、考えたり学んだりするのは夜と週末。それもやらざるを得ない納期に追われた足元のことばかり。即ち埋没しているのです。それでは、幹部としてのミッションが果たされるわけはないという問題以外にも、あんな幹部にはなりたくないという若い部下たちのロールモデルになっているという問題にもなっているのです。これに気付いている人は残念ながらほとんどいません。前にも書きましたが、人には「自己保存の法則」があります。「忙しい自分が素敵!(成果が出ているのかどうかは無関係)「しょうがないじゃないか」という気持ちが絶対にあるのです。この事実に気付くべきです。

 

企業の組織の中で昇格していけばいくほど何をやらなければならないのでしょうか。そうです、「ハイレベルな仕事」をしなければならないのです。さて問題です。「ハイレベルって何ですか?」それが分からない人に時間管理はできません。そんな管理者・幹部ばかりな会社は成長するわけはありませんし、部下は成長するわけはありません。それを真剣に考えてほしいものです。

何に時間と情熱と能力とスキルを投入すべきなのか。それがめちゃくちゃな人に組織を任せてはなりません。それらは自分の意志で意図的に管理しなければならないのです。

大切なのは、ビジョンや理念などの浸透と権限委譲とサーバントリーダーシップと、ハイレベルとな何なのか(経営の価値観)を明確にして優先順位をはっきりさせることです。そうすると、現場からどんどん離れてしまう幹部がいますが、それは大きな間違いです。顧客やマーケットから離れた幹部に事業の操縦はできませんハンズオンと権限委譲は絶妙なバランスを取らなければならないのです。それには意志とセンスが不可欠です。鈍感な人にはできません。できない人を昇格させてはならないのです。部下が不幸です。

夜の銀座線@浅草
おろしたてのレトロな車両。「哀愁」はマーケティング的には「有り」だが、
企業の施策には不向きだね。移り変わる環境にアラインできるかがすべて。

 

 

アウトプットは思考の訓練

以前から、「上質なインプットなき人生は先細る」と思って生きてきた。しかし、もちろんインプットだけしていても意味はない。アウトプットがないということは何も行動していないことに他ならないし、それでは他者に貢献できないだけでなく、自分の意識として頭の中に定着しない。インプットがあり、咀嚼し、創造し、意図的に行動し、フィードバックがあり、反省や納得があり、自分のものになる、という感じだろうか。自らの脳で創り出すことが定着に不可欠だと思う。

一から考えひねり出す創造的アウトプットは思考の訓練だと思う。自分の考え、意見、アイデア言語化する。それはビジネスマンとしての訓練でもある。自分ならどう考えるか、何をするか・・・それは指示の通り作業をすることが仕事だと思っている人にはきつい訓練かもしれない。しかし、新しい何かを創り出すのがビジネスの大前提なわけで、それらの訓練なしに「コト興し」(事業の創造とかプロセスの変革とか)をリードできるわけがない。ビジネスは創造なんだ。

自分の考えを言語化する機会が多ければ多いほどあなたは成長すると言っても、過言ではないと思う。それは、自分と向き合うこと、自分は何を考え何を主張すべきなのかに、向き合うことに他ならない。

 

私は以前に、NewsPicksという経済・ビジネスをメインテーマとするニュースサイトに、百数十日連続で自分の意見を書き込んだ。それは結構しんどい習慣だったが、自分と向き合う訓練だった。ただ読んで「ふ~ん」で終わらず、自分はどう考えるのかをアウトプットする。お粗末な内容だな、こんなこと書いていいのだろうか、などとよぎる瞬間を抑え込んで書くのは、少々勇気の要ることだ。見栄を捨てる、本音を書くことから逃げないなどの挑戦でもある。これも一つのアイデア

インプットとアウトプットの両方の量と質を上げることが、人生で重要だと痛感する。

何を学びどうやって創造するのだろうか。アートの神秘性は触れられそうで触れられない。
たまにはアートに触れるのもいいよ。
最近時々見るのが美術手帖 (bijutsutecho.com)

 

思い込み

僕たちの認知能力は凄く思い込みに拘束され、とても狭い範囲に限られている。知識や情報は偏り、知性を支える教養もほとんどの人がとても浅く、客観性の乏しいものだろう。だからこそ、リベラルアーツの必要性が声高に唱えられ、創造性や判断力の向上のためのSTEM教育の重要性が指摘されているのだと思う。私の認知能力もお粗末極まりない。

 

人口が多いとか、個人情報の制約がないとか、外資の制限による守られた市場であるなどにより、中国のDXの進化は世界でも最も速い。そして、実店舗の少なさや、有線ネットワークの広がりがない等、もともとインフラ整備が遅れていたところに、一気にICTの爆発的な進展によって、例えばEC市場が急拡大し、一方でその力の拡大を恐れた習近平氏が規制を強め、急激に利益がシュリンクしたメガIT企業など、相変わらずジェットコースター的に市場環境が暴れ続けている。

そんな中で、EC業界の世界ランキングがWebサイトに載っていた(Top B2C e-commerce companies by GMV 2020(UNCTAD))。僕はECではアマゾンが世界では圧倒的だと思っていた。アリババの成長が急激だろうとも、市場は中国に実質的に限られ、それ以外の世界中をマーケットにしているアマゾンには及びもつかないだろうと思っていた。

しかし、その記事によるとアマゾンが流通総額が年間57,500M$に対しアリババが114,500M$と、約倍の規模があった。僕の想像は全くピントがずれていた。さて皆さん、では楽天はどれくらいだと思います? 4,200M$なんです。アリババの3.7%に過ぎないのだ。携帯事業では躓いている楽天だが、業域は保険や証券などに拡げ、経済圏を拡げてきた巨大企業だ。しかし、世界では全く戦えない。人口の少ない日本の中でいかに(国産)トップを走ろうが相手にならないのだ。もし、アリババが日本に触手を伸ばしたらどうなるだろうか。「あり得ない」と言い切れるのだろうか。そんなことはないよね。ホラーストーリーを考えないと企業の将来はないのだ。僕らは思い込みの世界で生きているのだね。(僕だけかも)

 

先日、ある話を聞いた。日本の大企業の巨大ITシステムのモダナイゼーション(最新のテクノロジーベースに置き換える)コンペがあった。受注したのはインドのソフト開発企業。ご存じのようにインドには巨大なソフトウェア開発企業が何社もある。ほぼ全部北米向けの開発を請け負い、ローコスト、高品質で売上を拡大してきた。北米では顧客から直接大規模な開発を請け負う直販事業で伸びてきた。遅れること10年以上の時を経て、日本のマーケットにも進出してきていた。しかし、ほぼ日本の大手請負企業の下請けだった。日本語を理解する要員が少ないこともネックになった。しかし、じわじわと実力をつけ、いつの間には国内のベンダーに勝ち、大きな商談を獲得したようだ。

僕は10年以上前にインドの大手開発企業を何社も訪問した。その取り組みの戦略性の高さや、技術力の高さ、人材育成投資の大きさや、アメリカへの戦略的な進出方法(どのドメインを狙うかとか、それに必要な技術力を先駆けて獲得するとか)などに目を見張ったものだ。実は、その時僕はインドのソフト開発会社の会長をしていた。その時点では社員は千人に満たない規模で、私が訪問した大手が10万人規模であることに比べ、あまりに小規模で、実力も比較にならなかった。その後戦略転換を志向し足掻くのだけれど、そのきっかけになったのも、多くの企業を訪問し実態を知り将来に思いを馳せたことだった。

同様の感覚を持った人は多かったはずだ。しかし、インド企業が日本において直接顧客から大規模システムの受注をするということを想像していた人は少なかったのではないか。昔、同様にIT市場に韓国のベンダーが突然乗り込んできて、大きな受注をしたものの、日本の因習(顧客の仕様が曖昧とか・・・)に尻尾を撒いて撤退したこととは違うと感じる。10年余じわじわと環境に慣れ、市場にアラインしてきたと想像できるからだ。

 

これらは、一つの例にすぎない。僕らの思い込みは深く広い。それによって市場を見間違ったり、競合環境を見間違ったりする。市場は益々グローバル化、オープン化していく。前にも書いたが、ビジネスパーソンに必要な視座は、ますます「広く見る、深く見る、先を見る」能力が求められるのだ。

映画館でアニメを観たのは何年ぶりだろう。もしかしたら初めてかもしれないと思うくらい記憶がない。やはり、子供じみてるという微妙な思い込みがあったのかもしれない。
本作は最後のシーンにストーリーすべてが結実していると思う。泣ける。

場数という戦略

ビジネスパーソンとして成長するとか、スポーツ選手として強くなるという遷移(トランジション)・成長プロセスに有効なものに「場数」があります。いくら研修を受けても実際コンペに参加しなければ経験できないことがありますし、いくら素振りをしてもバッターボックスに立たなければ、体が覚えないことがありますね。緊張感やピッチャーとの駆け引きなどもそうですね。

怪我を恐れて試合に出ない選手が上手くなるでしょうか? あり得ませんね。ビジネスでも座学やコーチングで学べないことはたくさんあります。腹を括る経験をたくさんすると何も怖くなくなります。躊躇せずタイムリに行動できるようになりますね。

一方で、失敗を恐れる上司がいます。プロジェクトを若手に任せると失敗し顧客の信頼を失ったり、大きな損失を出すのではないかと、恐れるわけです。そうなると、経験豊富なベテランだけに機会が回っていきます。失敗した時に、自分の失点になることを恐れる上司もいるでしょう。そういうリーダーの下にアサインされた若手は不幸です。いつまでも重要なポジションの仕事を任されないわけですから。

 

上司の権限の一つが機会を与えることです。言い方を変えると、戦略的に機会を設計ことです。実は組織の成長に大変重要な価値観です。成長に欠かせない戦略なのです。部下の成長の加速に不可欠なのが戦略的なアサインメントなわけです。階段を上るように、難易度を上げる、多様な経験をさせるなどを、部下の能力や特長を理解した上て、設計し実行するのです。これは上司の重要な仕事の一つです。頭では理解するものの、実践できない(していない)上司が多いと感じます。

組織の成長には人材育成(拡大して言うならば、採用~育成~リテンション)が欠かせませんし、人材育成には戦略的なアサインメントが欠かせないのです。

しかし、現実的には、戦略性のないアサインメントや、リスクを恐れた囲い込み(異動のチャンスを避ける)などが横行している可能性がありますね。これは、退職者増などによって透けて見えます。上位上司やHRはよくフォローした方が良いと思います。

 

秋と太陽

ロシアから学ぶ

アンドレア・ケンドール=テイラー(新アメリカ安全保障センター上級研究員)が言っている。

ウクライナはこの夏に北部で反転攻勢を成し遂げましたが、彼らのフェイントとも言える戦略が奏功したのは事実とはいえ、なぜロシアは衛星を持っているのにもかかわらず、的確な行動ができなかったのか。ウクライナ軍の動向を読むのに十分な情報を獲得できていなかったのか。ウクライナ国防省の高官はロシアの偵察能力が想像以上にお粗末だと判断しているようです。どうやら、いままで西側の人々は、ロシア軍を過大評価してきたのかもしれません。どうもロシアは諜報活動や偵察活動ができていないだけでなく、チャンスを上手く利用できないと思っているようです。

その背景には軍の指揮統制や文化が大いに関係しているという。ウクライナ軍は現場の兵士に大きな裁量を与えているそうです。軍の階層の間に信頼関係があり、指揮命令系統の下層の兵士にも現場で判断を下す権限を与えているというのです。ロシア軍はその逆で柔軟性がないという。部下を信じていないので仕事を任せることができないのです。

それは、プーチン独裁的な行動を見れば想像がつきますよね。軍人でもないのに軍の劣勢に怒り、自分で指示をする。そして、成果を出せない人を次々に代えてきたのですから(11/6にも軍トップを解任したらしい)。それは伝染病のように現場に広がっていることでしょう。そして、最近の動員により、素人軍人が戦線に送り込まれ、ますます上官は苛立ち結果を出せずに敗走せざるを得ない、という連鎖が生まれるのではないでしょうか。

プーチンの独裁は今回の戦争から始まったわけではなく、ずっとそうだったわけです。今回苛立ちから深みにはまっているだけです。同氏はこう言います。「独裁体制では、優れた(事実という意味だと思う)情報がトップまで上がってきません。忠誠がすべてのベースにあるシステムでは、ボスに事実を伝えてもキャリアの得になならないからです。」 そうです、「プーチンは長い独裁体制の中で積み重なった『弱さ』を考慮に入れそこなった」のでしょう。

 

前にも書きました。企業も同じです。VUCAの時代には独裁的な指示命令すステムでは生き残っていけません。幹部は、人材を育成するとともに、場数を踏ませて、権限を委譲していく道しかないのです。近年日本においても、業績至上主義のトップダウンの企業が機能不全に陥り、検査不正や、判断ミス、非合法な経理判断などが行われてきました。それは以前に書いたGEですら同様でした。耳障りの良い情報にしか興味を示さない幹部はどの会社にもいます。部下たちの行動は歪み、清廉さは失われ、リスクマネジメントなど吹っ飛びます。ホラーストーリーを考える人は疎まれるのですから。

あなたの企業、部門は大丈夫ですか?

遠足中のたくさんの小学生たちに会った。小集団に分かれ気ままに登っていた。
先生も生徒を信じて任せているんだね。
右上にぼんやり見えるのが富士山 @高尾山頂

 

才能を活かす組織

若い人たちや、異能の人たちが伸び伸びと活動しているシーンをよく見ます。昨日までの日本シリーズを見ても、若い選手が実に多い。高卒2年目とか、育成から一軍に上がってすぐだとかの、経験の浅い選手が素晴らしい結果を残していますよね。大舞台に怖気づくこともなく、持っている力を出している。それに混ざる大先輩たちも、若手とフランクに話し、権威や実績というオーラを出さずに、チームメイトの一員になり切っている。それが今の時代のチームだろう。監督やコーチの考え方もそれを後押しするものに変わっているのでしょう。チャンスは公平に与え、能力や可能性を冷静に見極める。そして、どのように育てるのかを戦略的に考えています。間違いなく、育成する側される側とも、昭和の時代とは全然違う、そんなことを痛烈に感じました。

 

皆さんも、自分の才能もメンバーの才能も活かす組織を創りたくはありませんか?

 

11月号のForbes Japan の特集タイトルは正に「Defference is  a Strength !」

あなたの組織のカルチャーは、個人個人が持つ特徴を枠にはめようとしていませんか? 誰か(たぶんあなたを含める管理職)のちょっとした発言が多様性を阻害していませんか? 伸び伸びやろうよ。一人一人がユニークな個性を持ち、才能を持つ。それに気付く努力をしようよ。あなたが否定した特徴は才能かもしれない。部下の才能を一生眠らせておくつもりですか? それを活かすことができたら、カラフルで楽しい組織が生まれる。そこに集う人々は皆ウェルビーイングをたっぷり味わうことができるんですよ。それをまとめる自信がないのですか? 決して難しいことではありません。古い価値観を捨てましょうよ。

まず否定せずリスペクトしようよ。

 

D&Iが最近DEI(Diversity:多様性、Equity:公平性・公正性、 Inclusion:包摂性)に昇華していますね。Dを活かしきるためにはEが必要不可欠なのですね。

 

カラフルな個性を、管理者のあなたは知らないのはなぜなんでしょうか。一緒に仕事をしたことがないから? ミーティングなどコミュニケーションする機会はあっても、ほぼ一方通行(すなわちあなたが話してばかり)だから? 部下の個性や特長に興味がないから?(成果だけに興味がある) もしかしたら、知らないのはあなただけかもしれません。

個性を知る手段を考えてください。先日お話ししたクライアントは、私の勧めで部下とワークショップをし、自分がファシリテーターに徹したら、部下たちが皆前向きで、楽しそうで、それぞれ悩みが違って、それぞれ悩んでいて・・・など一気に自己開示が進んだとお話しされていました。今まで、一方的に指示をしその通り結果が出なかったことに落胆していたその方は、部下たちを見くびっていたと、その思い込みにすごく反省していらっしゃいました。そのたった一回のワークショップで、上司部下から仲間の関係に変わったのです。部下の個性など、今まで隠れていた(気付かなかった)能力や気持ちや特長に触れることによって、どれだけ幸せだったことか、想像できますね。

そう、バイアスを除いたコミュニケーションが何より大切だと思います。何度も書いていますが、コミュニケーションは質より量を意図的に確保してください。それがベースラインです。無駄など絶対にありません。

 

一人一人の能力を活かすことは、変化の激しい現代において最も重要な価値観です。クリエイティビティが道を拓きますが、一人のアイデアなんか大したことはありませんし、少なからず絶対にバイアスにまみれています。そこで重要なのがご存じ「共創」なわけですね。co-creation」共にクリエイティビティを発揮することです。それによって見えないものが見えてきたり、突然変異が起きたりするわけです。

金太郎飴の人材が集まった組織に、クリエイティビティ―の化学反応など起きません。カラフルな個性がはじける時に、進化が起きるのです。そこに横たわっているのは、リーダーのDEIという器だと思うのです。

オフィス街にもひたひたと秋が訪れた
もっとカラフルな木々を見るために山に行こうっと
豊洲