先日「ありのまま」の自分を出して働いているかどうかの話を書きました。
「ありのまま」ってなに? ありのままに生きたい僕の考え - Heaven's Kitchen / 清水のブログ by Seed Master Consulting (hatenablog.com)
その後パーソル総研の「『本音で話さない』職場はなぜできるのか」というレポートを読んで、少し前回のブログを補いたいと思います。
このレポートは、大雑把に言うと、企業は組織変革や時代に即した部下マネジメント変革を求められているが、実はそのために必要不可欠な職場での対話が上手く機能していないのではないか、という問題を指摘しています。
そして、その本質的なポイントが「本音で話していない」という問題だというものです。即ち、私が前回指摘したように、取り繕った会話しかしていないという実態が明らかになったのです。
データの一部を紹介しますと、
・職場で本音で話せる相手がいない人が50%を超える
・階層が下位であればあるほど本音で話していない
・本音で話していない人ほど、本音でコミュニケーションすることへの関心が低く、他者の本音や本心に対する関心が低い
などで、この問題がいかに根深く改善が難しいかが分かります。
また、レポートによると「本音を話すことを妨げる6つのリスク意識」があり、これらが、本音のコミュニケーションを妨げていると分析されています。少し要約しますね。
①「裏切者リスク」本音を話すと組織に愛着がないと思われてしまうリスク。組織の不満などの愚痴的な本音も話せないことになってしまうわけですね。
②「拡散リスク」話している相手以外の意図しない相手に広がってしまうのではないかというリスク。
③「低評価リスク」本音を話すと、自分の評価が下がってしまうのではないかと感じるリスク。レベルの低いぶっちゃけ話ができなくなってしまう。
④「身分不相応リスク」自分のポジションを過度に意識してしまうリスク。若手が口を挟めないなどが起きてしまうわけですね。
⑤「無関心リスク」話の内容に関心を持ってもらえないと感じてしまうリスク。反応を過度に意識しすぎて言えなくなってしまうわけですね。
⑥「関係悪化リスク」本音を言うと喧嘩になったり気まずくなったりすることを意識してしまうこと。これもあるあるでしょうね。
これらはすべて周りの人たちとの関係がいかにインクルーシブでないかに、大きく影響されていることが分かります。排他的な姿勢、見下す姿勢などによって嫌な経験をしたことがあるなどの場合も、これらのリスクが顕在化すると推測できます。上司が男性性が強すぎる場合なども、影響しそうですね。それらを想像すると、多くの職場で日常的に起こっている可能性が高そうです。日本の組織カルチャーの問題が大きく影響している可能性が高いことが分かりますね。即ち、縦割り色が強く、組織長がムラ社会を作り上げ支配的ヒエラルキーを維持していたり、権限委譲が進まず、自律的人材を生み出す土壌にないなどが影響して、自由な発言や、チャレンジを阻害している閉塞感があるように思います。
また、これらの意識を男女別・年代別にデータを取っています。顕著なのは、30代・40代の女性が6つすべてのリスク意識が高いことです。それに対して20代の男性はほぼその意識がありません。
女性のその年代を想像してみると、結婚・出産などで(人によるでしょうが)長期休暇などで現場を離脱せざるを得ず、負い目を感じている可能性があり、他者の目を気にしているせいなのかもしれないと感じます。
また、昇格のタイミングとも合致します。女性が昇格するチャンスをものにする場合、以前にも書きましたが、日本の社会は男性性が強すぎるあまり、女性が男性に寄せる(リーンイン)しかなく、かなり無理をしなければならない状況にあると言えます。強すぎる男性性 企業カルチャー変革の視点 - Heaven's Kitchen / 清水のブログ by Seed Master Consulting (hatenablog.com)
同時に自分の能力に自信が持てず、チャンスを前向きにとらえられない人も多くいます。そうなると、周りの人間関係の中で自分を取り繕わざるを得なくなっているのではないでしょうか。
皆さんもお気づきの通り、
「本音で話せない」=「心理的安全性が低い」ということです。
そうなると、職場で孤立を生んでしまう、コラボレーションが起きない、上司が裸の王様になる、イノベーションが起きない、エンゲージメントが上がらない、退職が増える、不祥事が起きやすい、などなど多様な問題を生んでしまうリスクが増えるわけですね。結果的に企業のサステナビリティは下がります。
これさえやれば解決するという正解などありません。上司の傾聴の姿勢、職場内の対話量を増やすこと、上司の強すぎる男性性むき出しのコミュニケーションを控えること、フェイルファーストの姿勢、DEIの戦略的推進、パーパスや理念などの共感、などなど包括的に進める必要が不可欠です。今までもいろいろ書きましたね。参考にしてください。
詳細は是非レポートを読んでみてください。
「本音で話さない」職場はなぜできるのか - パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)
