かつてのブーストが効かない人材育成。どうする?

昔は、初めが肝心とばかりに新人の時に徹底的に鍛えられたものです。特にコンサルはそうでした。入社した若手もそれを承知で入っていました。昼も夜も休日もなく働いたのです。まるで徒弟制のように上司にダメ出しされては、やり直しました。コンサルでは、若いうちにフレームワークを使い倒せるようにならなければ生き残れません。付加価値の高いアウトプットを出さないと、顧客には評価されないし、そうなると会社も戦略的なプロジェクトにアサインしてくれません。結局徹底的に働き、競争に残るように歯を食いしばったのです。

即ち、若いうちはアクセル全開、ブーストが効く間は突っ走るのは生き残るための手段だったのです。しかし、そんな時代は終わりました。労働協約は守らざるを得ないし、ブラックのレッテルを貼られると、いかに給与が良かろうが、多くの若者は避けるようになりました。

即ち、ハードワークというブーストが効かなくなったのです。

汗と涙と根性と長時間労働で勝ち上がるというモデルの終焉です。

 

もちろん、ひどい会社は隠れ残業などが横行していました。今でも残っているのかもしれません。しかし、早晩なくなるでしょう。こんなのはここだけだと気付けば、皆転職してしまいますから。

 

さて、そうなると企業は若手をハイパフォーマーに育成し、リテンションすることの手段が限られます。どうすればいいのでしょうか。

言うまでもなく、魔法はありません。ハードワークを前提とする徒弟制度の育成はできません。では、どのように育成するのか。実は、多くの企業はその解を持っていないように感じます。何をどの様に教えればいいのか? 真剣に考えて試行錯誤を続けているでしょうか。HRは現場に丸投げしていませんか? もしくは、教育を外部に丸投げしていませんか? 現場と徹底的に議論し、できるところは手作りで育成プロセスを設計、実行するよう取り組んでいくべきです。現場だけでもだめ、HRだけでも駄目です。成長戦略にアラインする人材ポートフォリオを定義し、どのように何年かけてそのポートフォリオを埋めていくのかを決め、合意し、それを実現する方法を決めるのです。そしてプライオリティーを上げ、必ずやり遂げると宣言するのです。トップから新入社員まで希望を感じる育成プランを明示し、実行すのです。もっともらしい計画を作ってHRは満足していませんか? 実現するオーナーシップを持たなければなりません。

 

そして、ホワイト過ぎるのも問題です。もっとやりたい、厳しい職場で鍛えてほしいと望む若手の希望も理解しなければなりません。決して甘やかすことのない様、プロとして成長をコミットさせ、学びに貪欲になるよう動機づけし続けるのです。意図的なストレッチを続けるよう背中を押すのです。これは、1to1で考えるしかありませんね。一人ひとりに合った育成を丁寧に行うしかありません。

結局は、HRや現場のマネジメントが情熱をもって育成する強い動機と、手厚いフォローが必要不可欠です。熱い情熱とキャリアに対する希望(光)や物語りが必要です。それさえあれば、きっと若者は成長という形で恩返しをしてくれるでしょう。それが本来のWin-Winではないでしょうか。

 

転職、就職のための情報プラットフォームとして最も有名な「openwork」の企業評価は8項目あります。その一つが「20代成長環境」であることはあまり認識されていません。同社が、また、サイトを見る若者たちが、いかにこれを重視しているかが分かります。

貝類はミネラルが豊富。夏場にブーストを効かせようと思うなら、正に最適。
キリっと冷えた白ワイン抜きでは元気も出ませんが・・・(^^♪