創造力(クリエイティブティー)のあるユニークな考えを持った子供を、教師は問題児として扱う。これは教育現場で起こりがちなことです。子供は敏感ですから、それに気付いたら、次第に望まれるものは何なのかを考えて答えるようになります。こうしてオリジナリティは封印されていきます。
このようなことを、アダム・グラントが「オリジナル」で指摘しています。
考えてみてください。このように枠にはめられた子供が「良い子」として育っていくのです。これって、企業も同じじゃないですか。そもそも大企業はそうした「良い子」しか採用しないし、入社した後は、支配型ヒエラルキーのリーダーが枠にはめようとします。仮に問題児が採用試験をすり抜けて入社しても、リーダーによって徹底的に枠にはめようとされてしまいます。そして、もし枠にはまらない人がいたら、排斥されるのです。
HRはそれを理解して採用しているだろうか。各部門のリーダーは新人の育成プロセスで枠にはめようとしてはいまいか。「良い子」に埋め尽くされた企業なんてこれから成長できるとは思えません。
アイデンティティー、哲学や持論が個性的な人はとても素敵だ。自分を理解しようともがいている。人生とは何か、在りたい生き様とは何なのかを考えている。どこか尖っている。同時に、どこか安らかだ。何に時間を使いたいかがはっきりしている。そして、必ずどこか自信に満ちている。爽やかな顔をして鋭いことを言う。そんな人がたくさんいる会社の将来は希望に溢れている。
僕はそんな気がする。
ダイバーシティー(多様性)とは、そのような属性(人種、性別、年齢、経験など)だけでない価値観や考え方や個性などを受け止めることです。しかし、そのような個性あふれる人たちの集団は、時にバラバラになりがち、即ち遠心力が働きます。リーダーはそれが嫌なので枠にはめようとする。それが行き過ぎるといわゆるムラ社会を作ってしまいます。金太郎飴の完成です。
遠心力が嫌なので枠にはめるという行動は絶対に間違っています。求心力は組織のパーパスやビジョンなどのカルチャーの腹落ちで生み出すのです。それがリーダーの務めなのです。それができない人に現代のリーダーは務まりません。
様々な制約から解放してあげたい。一人ひとりが自分らしく仕事をしている。希望を感じて毎日笑みを浮かべてる。
そんな職場を作りましょうね。それが新しいリーダーの務めです。