界隈(かいわい)のデザイン

「それでも今の居場所でいいですか?」(蓮村俊彰)という本が出ている。要旨を読んだだけなのですが、あなたの周辺の人間関係をデザインすることで人生をポジティブに変えることができる、という主旨らしい(ネット記事を参考に想像したもので、言い切れません)。ここに出てくるのが「界隈性」(かいわいせい)という言葉。あなたを取り巻く人間関係と理解した。僕たちは人間関係の中で生きている。その中で居場所を確保している。そしてその居場所は複数ある。職場や友人などなど、それぞれ多面的に存在する(趣味の仲間や仕事の仲間・・・)。以前にも書いたが、居場所(界隈)がたくさんある人の方がウェルビーイング度が高い可能性が高いと言われる。僕もそう思う。そして、その一つ一つの居場所(界隈)の居心地が人生を決めると言ってもいい。

さて、職場に思いを馳せよう。残念ながら退職していく人も多い。以前に某社の人事の方がフォーラムで言っていたが、退職者を分析すると高確率で職場で孤立していたそうだ。即ち、職場が自分らしく居られる居場所(以前に書いたビロンギング)になっていなかったということと理解できる。以前に全く別の人が、退職の原因はほぼ半径5m以内の人間関係だったと言っていた。同様の示唆を与えてくれたのだ。実に興味深い。

さて、職場の居場所(界隈)は誰が作り上げるのだろうか。上司は選べないし、チームメンバーもほぼ人事発令によるのだから、会社が作り上げると言える。さて、ここで考えてほしい。本当にそうなのだろうか

物理的に誰がメンバーなのかは確かに会社が指定するだろう。ここで考えてほしいのが、居場所(界隈)は物理的なものではないはずだ、ということ。そう、上でも書いたが人間関係が居場所(界隈)を作り上げるのだ。人間関係は与えられるものではなく、あなた自身がオーナーシップを持っているものなのだ。もちろん相手のあることで、一人で作り上げるものではない。しかし、あなたは重要な関与者だし、意図的なコミュニケーションによって影響力を行使することが可能なはずだ。

まず、理想の居場所(界隈)とは何なのかを想像してみよう。もちろん個人によって違うだろう。それを言語化してみるのだ。さて、その次がチャレンジだ。それを発信するのだ。私はこういう居場所(界隈)が好きだと。その次にあなたはどうですか?と聞いてみるのだ。そこから会話が進めば明らかに自己開示の核心の扉が開く創りたい人間関係の核心が見えてくる。それは、間違いなくポジティブでインクルーシブなはずだ。

それが「居場所(界隈)のデザイン」だと思う。それに成功したら、間違いなくウェルビーイング度合いは深まっていくだろう。そう思いませんか?

都会の喧騒の中にも居場所はある
皇居外苑