部下には良い仕事をしてほしいと願う

部下に良い仕事をして欲しいとあなたは心から願っていますか? 一人一人の顔を浮かべてそう思っていますか?

部下にとって良い仕事とは何なのでしょうか。成果を出すこと? 自律して仕事をすること? 成長に資する仕事をすること? KPIを達成すること? ウェルビーイングを感じること?

もちろんどれもそうでしょう。しかし、上司であるあなたが、そうできるように何をしたら良いのでしょうか。それをあなたは言語化できますか?

僕が気になっていることを少し書きたいと思います。まず大切なことは、あなたが適切なフィードバックをすることです。そのためにあなたは何をしますか? いちいち指図をしてその成果に口出しすることですか? そうではないですよね。仕事の基本は「任せる」ことです。もちろん何のコミュニケーションもなく丸投げすることではありません。普段から(平時)目的や理念やビジョンを語り腹落ちさせることが、何より大切です。その上で、具体的な仕事は任せて期待を口にするのです。もちろん、ジュニアな部下は上手く仕事を進められるとは限りません。普段からよく観察すること、そしてタイムリーにコーチンすることです。言うまでもなくティーチングは最小限にしてください。「こうしろ、ああしろ」と教えるのではなく、「どこが困っているのか」を聞き出し、「なぜそうなのか」「どうしたら解決するのか」「どうやったら学べるか」などなどを考えさせるのです。丁寧に気付くような壁打ちラリーを続けてあげるのです。必要なヒントを出しながらね。そうしたコミュニケーションを続けながら、アウトプットを評価しフィードバックするのです。そして、戦略的に与える仕事のレベルを徐々に上げていくのです。期待を込めて。部下がチャレンジする様子をよく観察して、よくできたこと、不足なこと、目指すべきレベル感、更に期待することなどをフィードバックするのです。これを丁寧に行うことはかなり工数がかかります。しかし、それが部下の成長に何より必要なのです。これにもあなたの女性性が大きく影響するはずです。それが分からないと部下が不幸なだけでなく、あなたのチームのアウトカムは継続的に増えていきません。それを部下のせいにしてしまうとんでもない上司が、稀にいるのも事実です。とても残念なことです。

次に心理的安全性」です。近年言い古されたくらい常識になっていますから「耳タコ」でしょうね。私のクライアントの多くはいろいろな工夫と努力をして、職場の人たちが自分らしくあることに躊躇しないように促しています。あなた自身も自分を晒し、徹底的にオープンな姿勢で日常のコミュニケーションを行うのです。

更に、部下の自由をコミットしてください。もちろん規律や社会常識は守ったうえです。そして、「チームのために」という価値観は大前提です。利他心を抜きにした自由を許してはなりません。部下をあなた好みの枠にはめてはなりません

もう一つ、あなたにとって難しい重要課題が評価です。上記のようにカルチャーを変えようとするなら、評価も変えなければなりません。特に会社がジョブ型の評価に変えようとするなら十分に考え抜いて、変革を推進するベクトルに整合した評価に変えなければなりません。売上額などの数字だけで評価したのでは何も変わりませんね。何をKPIにするのか。そしてそれが客観的に測定できるのか。公平、公正に評価できるのか。これはとても難易度の高い仕事です。しかし、通らなければならない関門です。シリアスに戦略的に考えてください。これに失敗すると部下はついてこないでしょう。

以前に書きましたね。「忙し過ぎる」という悩みを抱えた管理職が多いと。今まで書いたようなことは、目先のことで忙し過ぎていてはできるわけはありませんね。上記はとても手間と情熱と戦略性を要することなのです。しかし、部下の自律や成長なしにあなたのチームの成果拡大、成長もあり得ないのです。あなたの中のプライオリティーを上げて、それにより溢れた仕事があったとしたら、それを手放すことです。目先のことに汲々としていてはあなたの未来はないのですから。

ビジネスにおいては、春は意図的に創り出すのです。チームでね。