分断を考えると暗くなる

米国の調査会社の調べによると、2022年の米主要500社のCEO報酬(中央値)は1480万ドル(約21億円)だった。従業員との格差は186倍に及んでいる。

もちろん現在のCEO以外にも巨万の富を得た人たちがいる。CEOはその一部に過ぎないだろう。巨万と言えばそうたくさんはいないだろうが、そのほとんどが米国人と思われる。事実かどうかは疑わしいが、富を有する人と、貧しい平民との金銭的ギャップは今が人類史上最大と言われる。貧しい人は大昔から相対的レベルは変わらず、持てる人の資産はずっと伸び続けているのだから当然だろう。ピケティ氏の言う「r>g」がそれだろうが、残念ながら格差は広がるばかりなことは間違いない。

8/4のブルームバーグの報告によれば、米国で400ドルの急な出費を借金せずに賄える人は、46%しかいないことが明らかになった。堅調な経済状況にもかかわらず、実は米国の成人の経済状況は甚だ不安定だということだ。その裏には、米国人の消費意欲が異様に高いことが影響しているのは間違いなく、それが米国の堅調な経済を支えている。日本人は貯金好きだから、そんな数字にはならないだろう。それがいいかどうかは別だが… 貯金ばかりがあっても使わないんだからね。

結局は、経済は中所得者層以上が支えていることを示している。ピケティ氏の指摘している格差の拡大は、加速度的に進んでいるのは間違いない。

持てる国と持たざる国の差も同様だろう。その差は、不満や嫉妬を深め、経済政策がほぼ無策のままであれば、不満は軍事クーデターなどに発展し、軍は民意だと正当化する。そこにつけ入るロシアという構図も、いかんともしがたい。ロシアが中国にとって代わられようが、経済を人質にされるのは同じで、その先に明るい将来は存在しないでしょう。

グローバスサウスも、親中国、親ロシアというわけでなく、反米国の匂いがどんどん強くなってきた感じだ。

世界中で深まるアンバランス。誰も制御できない。リーダーもいなければ、国連も機能しない。まして、G7等民主主義国だけでは何も解決できない。溝は深まるばかり。

将来のことを考えると暗くなる毎日。ダメだ。もっと楽しいことを考えないと。

たまには相模湾越しの富士山でも眺めてスカッとしますか
三浦半島立石公園