変わっていく世界 & 新しい「Well being」

COVID-19はいろいろな産業にダメージと機会を与えた。暗転したら舞台のセットが全部変わったようだ。

新興国の需要は伸び盛り。その典型の1つがインドの自動車だった。インドでシェアNO.1がご存じスズキだ。ところが、4月の販売台数はロックダウンの影響で0。なんと1台も売れなかった。4~6月合計が8割減の6万台。経費削減で赤字はまぬがれたものの、純利益はほぼ0。

・一方その後の報道では、軒並み大手自動車メーカーが4~6月決算で差詩集赤字の中、トヨタは1588億円の黒字だった。徹底したコストダウンが奏功したとのことだが、コストダウンについてはゴールなき不断の改善を続けた同社に、まだそんなに余裕があったこと自体に驚いた。工場閉鎖や万人単位のリストラを計画している競合他社との差を見せつけた形だ。

・昨年までの数年間はスタートアップが非常に元気だった。もちろん、その背景にはAIやIOTなどを典型とする新しいDX、X-Techといわれるテクノロジーをベースにした企業が旺盛だったことがある。大手企業もそれらの新興企業に出資をしたり提携をするなど連携を深めることに積極的だった。そういう意味では、有望なスタートアップは資金に苦労することはあまりなかった。それが今年に入り資金の余裕がなくなり流動性が一気に落ちた。1~6月のスタートアップの資金調達総額は、前年度比47%ダウンだ。スタートアップの聖地であるシリコンバレーですら、VCは成長が間違いないであろうレイトステージの投資しかしなくなり、リスクマネーの行き所がなくなっていると現地でベンチャー支援をしている伊佐山さんが言っていた。

・巣ごもり需要を上手く取り込んだ一社が「ウーバーイーツ」だ。23区内で始まったあ同社のサービスも、最近では我が家あたりでもよく見かける。同社が放った大胆な戦略が「サブスク」だ。日本においては、1,200円以上の注文代金の場合に、何回使おうが、定額980円/月だそうだ。もともと同社はダイナミックプライシング(需要や渋滞情報をAIで判断して配送料金を動的に変える)をとっていて、配送料は平均300~400円だそうで、月に3回使えばペイする計算だ。どうでしょう。数か月したら儲からないから止めたと言い出しそう…

・もう一つ巣ごもり需要の典型が「メルカリ」だ。上場後も積極的な投資を続け、4半期決算はずっと赤字続きだったが、今回の4~6決算で初めて黒字に転換した。売上は60%増だ。

・日本にいると気づきにくいことだが、大気汚染が一気に改善した。ウォールストリートジャーナルによれば、汚染レベルは最近70年の中では最も低いとのこと。航空、鉄道、自動車などあらゆる移動が激減し、また、電気需要の低下で発電量も低下、従い公害物質の排出が減るのは容易に創造できるが、数か月の中でそれほど一気に綺麗になるとは。経済が戻ったとしても、私たちが努力すれば温暖化は止められると、確信した人も多いはずだ。バランスはとれるはずだ。猛暑や異常気象はもう嫌だ。

・多くの人の消費行動が縮小している。一つには、交際範囲がググっと狭まった。若い人たちの間では、それをポジティブにとらえている人たちも多い。行きたくない会食が多かったのだろう。もともと、できれば一人でいたいと思っていたのかもしれない。ともかく、交際が狭まることによって、外食、運輸、衣服、美容、燃料(ガソリン)などが激減した。消費をすることが経済を支えることは分かっているはずなのに、実は貯蓄志向が高まっているとのこと。就業の不安などがそうさせるのだろうか。

・各産業セクターでいろいろなことが起こっている。しかし、新しい機会も多いはずだ。ハンズオンの考え方が変わり、ますますDXの価値も高まるはずだ。新しい便利を定義すること「Define Smart」、新しい豊かさを見つけること「Design Thinking」が必要不可欠だ。それを理解し実践できるチームが成長し、そうでないチームは成果を出せずにもがくだろう。

・人のつながりが薄まっている。オンラインでつながっていればまだいい。それすら少ない人は、ますます孤立する傾向にある。運動不足も重なり、ますます重要になるのが「Well being」という考え方。私は、「肯定的に考える、捉える」こと、そして、「Active」であること、すなわち「行動する」ことが大切だと思う。自分と向き合って、自分にとっての「Well being」とな何なのか?を考えてみることをお勧めする

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実はめったにスイカを食べない。夏の終わりに思い出したようにスイカを買った。何年振りか思い出せないくらい久しぶりだ。懐かしい味がした。そんなことが幸せに感じる。