デジタルを友達に

■デジタル人材

ゴールドマンサックスが昨年採用した人の半分以上はIT人材だそうだ。

一方、20億人のZ世代。50%の人がリモートワークが不安なそうだ。デジタルネイティブの人がそうなんだ。デジタルの慣れ不慣れは世代に関係ないんだ。

確かにデジタルの弱みは、暗黙知が共有できないし、形式知を説明や喋りの上手さがなければ共感ができない状況になりがちなこと。

したがって、デジタルネイティブであっても、リモート環境で孤独を感じたり孤立しがちになってしまう。

デジタルで効率化し、時間を創り出すとともに、クリエイティビティ―を化学変化させる場が必要だと痛感する。それは実際会わないとできないことかもしれない。

 

■全部を変える

入山教授がこんなことを言っていた。それは「経路依存性」という言葉。初耳だった。「いろんな要素で社会ができていて、それらは噛み合っている。何かを変えようとすると関係するものを全部変えなけらばならない」という意味。このコロナ禍のカオスの時は、絡み合う全部を一気に変えるチャンスではないかという指摘だ。いや、強制的に変わらざるを得ないという意味でのチャンスなのかもしれない。リモート、働き方改革ダイバーシティー、メンバーシップ型雇用⇒ジョブ型雇用、DX・・・ 

正にCXコーポレート・トランスフォーメーションの時だ。

元々、かつて日本が成長した大きな源泉は、「課長」だった。現場の管理者が自律していた。その課長が自主的に改善を続け、QCDの変革を続け、競争力を積み上げてきた。そう、現場が強い日本企業がDXを進めるともっともっと力を発揮するはずなのだ。しかし、実態は目先のことに追われチャレンジが許されず閉塞感に包まれている。いや、そう思い込んでいる。そんな現場では、日本の良さを発揮できないはずだ。現場が自主性を発揮できる組織こそ変革を起こせる自主性を阻害するような、上司のマイクロマネジメントは絶対に避けなければならない。DXは日本のチャンスのはずだ。DXは現場の力で実現しよう。

 

キーエンス営業のDX

先日キーエンスターゲティング術というウェビナーを聴いた。要は、昔から顧客をどうターゲティングするかが営業の生産性の肝だと分かっていて、いろいろチャレンジを続けてきた。もちろん当たり前の属性データから3rdパーティー東京商工リサーチなど)のデータを利用したり、社員がヒアリングしたデータを統合したり、商談履歴や、イベント履歴、Webアクセスログなどなども活用し、データサイエンティストを採用して、機械学習でターゲティングリストを作り、それに従って営業活動をしてきた。明らかに勘と経験による営業に比べはるかに成約率は高く、売上はどんどん成長した。しかし、データサイエンティストの採用は困難になり、彼らにはビジネスラインのニーズは分からないなど、限界を感じ、ビジネスラインが自ら分析できるツールを探した。しかし、適当なものが見つからず、自社開発。現在は営業が自らツールを使い、ターゲティングリストを作成し営業している。そう、彼らは現場が自立して科学的にアプローチしているのだ。企業の中で最もコンサバな営業現場でさえ、自ら試行錯誤しレベルアップしてきた。

売上6,000億円に満たない会社の時価総額が国内2位、利益率50%、平均年収第1位であるのも、現場のDXの力ではあるまいか。

 

CXの時代。経路依存しているすべてを変えるためには、会社を設計しなおせる強いリーダーとともに、現場の力が必要不可欠だ。

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