変革に必要な要素

NPの記事の指摘が実に的を射ている。それは、コンサルティング業界が変わってきたという趣旨。コンサル需要の多くが、ビジネスコンサルからデジタルに関わるコンサルにシフトしてきて、従来のITコンサルはもちろんのこと、過半のコンサル需要がデジタルに関わるものになってしまった。それは、世界の多くに大手コンサルファームが、デジタルの子会社を立て続けに設立したことでもよく分かる。そして、そこに集っている人材が一気に多様化してきた。DXが主要なニーズになってきたことで、従来はコンサルファームの構成人材が、コンサルタントとバックオフィス(管理部門)人員だけだったが、今では、それらに加えてUX/UIデザイナー、データサイエンティスト、ITアーキテクト、AIの専門家、ビジネスデザイナー、ビジネスリサーチャー、エクスペリエンスデザイナーなどのプロが集まり、クロスファンクショナルに顧客の困りごとに向き合わないと、高度なニーズに対応できなくなっているのだ。

これは、近年のデザインシンキングの隆盛の流れに完全に合致し、更にAIなどITフィールドのテクノロジーがいかに問題解決に役立つかを示している。

顧客の困りごとを解決するのが企業のミッションだが、そのアプローチがガラッと変わったと言っているのだ。これはコンサルファームだけの問題ではなく、あらゆる企業がそうだと考える。そして、それは社内外を問わない。即ち、社内IT部門もそうだと言いたい。今までのアプローチですら社内の不評を買いがちなIT部門なわけだが、ハードルは更に上がった。社内も社外も顧客自体が自分の困りごとをよく分かっていない時代(わかっている問題は既に解決済み)。顧客の多くは固定観念にまみれた視点から出れないままだ。だから、ビジネスコンサルが顧客のヒアリングをしても変革には到達できなくなってきたのだ。従い、デザイナーやリサーチャーが必要なのだ。言われたことをIT化することでは、問題は解決しないし価値は甚だ低い。自分で観察し仮説を立て検証するしかないのだ。

皆さんの顧客に向き合う組織は、上記のような新しい能力を具備したチーム編成で対応できていますか? 是非ニーズから逃げないで、真剣に考えてください。

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夕暮れはひたひたと迫っている。変革を恐れてはいけません。なぜ躊躇しているのですか?