New Normal って何?

New Normal って何だろう。そもそも Normal とは?

常識、常態、普通・・・。それって何?

正解が何かわからない現代、Normalを問う意味があるのだろうか。

似た言葉に“王道”がある。私が以前勤めていた会社で、ITサービス事業の責任者になったときに私はこう言った。もう9年前のこと。「王道に立ち返ろう」と。

リーマンショックによって急速に萎んだ需要と闘う道を見つけられない状況の中、“原点に返ろう”“ITサービスの本質の価値”に立ち返り、顧客価値を取り戻そう、との思いで発した言葉だ。小手先の戦略をいかに振りかざそうが自らの価値を見失うだけだと思った。自社の有する価値と向き合い、その価値の本質が何なのかを再評価できれば、顧客は戻るはずだと。

その後3年経ち、5年経ち・・・僕たちを取り巻く環境はどうなっただろうか。市場の変化やテクノロジーの変化は急速にその速度を増し、今まで価値があったと思うことが一瞬にして価値を失う。今まで経験してきたこと、学んできたことは足かせでしかない。そのアンカリングが判断を誤らせ、致命的な時代遅れを生んできた。

極端に言えば、今、皆が共通して認識する正解など存在しない。定石もなければ王道もない変わり続けることが唯一の処方箋だと思う。

以前にもこう書いた。今必要な価値観は「PDCAでなくOODAロジカルシンキングではなくデザインシンキング方程式を解くのではなく、正解のないことに挑戦する持続的イノベーションではなく、破壊的イノベーション重厚長大なやり口ではなく、リーンスタートアップQCDを守るのではなく、0から構想するなど」の変革だと。

 

そこで、冒頭の問いに戻る。

New Normal って何だろう。

先日、山口周氏の話をオンラインで聴いた。彼の主張に共感した。「新しい普通を探すのではなく、普通はないという発想が大切」「画一化するから普通という概念が生まれるのであって、(現代の)多様性は普通がないということ」「正解はない、定石はない」と。

そして、これは自分で作った言葉と言っていたが「アセットリバース」の時代だと。これは、「過去の資産が足かせになる」「知識・経験の不良資産化」を指し、これは、普通は「能力や知識が積みあがると個人の価値が上がるが、環境が変わると一気に意味を失う。即ち新参者がひっくり返せる」と。正に、資産がバイアスを作り足を引っ張るということ。「常識が次の常識を生む。それが繰り返される。正に常識のネットワーク」ところが、先ほどの様に「一つの常識が倒れると、ドミノ倒しが起きる」のだと。

実に腹落ちする話でしょう。以前にも書いた「人類史上最も変化の激しい時代」はこのような価値観が必要不可欠だと思う。

すなわち、New Normal なんて存在しないのだ。Normalがない以上New Normalもないのだ。

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街中に咲いていたキンモクセイも一週間ですべて散ってしまった。

僕らの観ているビジネスシーンの変化も凄く速いことを肝に銘じよう。