孤独と孤立は違う。孤独は主観的・感情的なもので、孤立は客観的な事実です。以前にも書きましたが、ある大手電機メーカーが長期間のデータを分析したところ、退職する人の多くは社内で孤立していたということが分かったと言っていました。同社は、諸々のデータを分析することで誰が孤立しているのかを浮き彫りにして、対策を取ることを勧めています。同社はそれをサービスとしてビジネスにしています(HRテック)。
また、以前に書きましたが、ギャラップ社のQ12(12の質問)〈エンゲージメントを測定するためのもの〉は有名ですが、その中にこのような質問があります。
Q04:この1週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした。
Q05:上司あるいは職場の誰かが、自分を一人の人間として気遣ってくれていると感じる。
Q06:仕事上で、自分の成長を後押ししてくれる人がいる。
Q07:仕事上で、自分の意見が取り入れられているように思われる。
Q10:仕事上で最高の友人と呼べる人がいる。
Q11:この半年の間に、職場の誰かが私の仕事の成長度合いについて話してくれたことがある。
これだけ見ただけで、「エンゲージメント」と人間関係(孤独や孤立をしていないか)がいかに結びついているかが容易に想像できますね。これはとても重要な視点です。
また、NewsPicksによると、2010年のスマホの登場以降急速に友人と遊ぶ時間が減っていることが分かっています(アメリカ人のデータ)。それを加速化している犯人は一人で行う「ゲーム」「ペット飼育」「SNSと動画」だということも分かっています。社交好きのアメリカ人ですら社交のイベントが急速に減っているのです。
実は日本人は国際的に見て最も友人がいない人が多い国なのだそうです。それはもちろん孤独に繋がり、それは公衆衛生的に多きなリスクと見なされています。
例えば、2023年にアメリカでこのようなレポートが出ました。社会的な孤立や孤独は毎日15本の煙草を吸うのと同じ早死リスクがある。運動不足や肥満(BMI35以上)やアルコール過剰摂取などとも同じレベルの早死にリスクです。孤立や孤独は早死の原因なのです。これはびっくりするデータですね。真摯に向き合うべき課題だと思います。
現代人は孤独をChatGPTで癒したり、ペットと共に生きることで癒したり、一人ゲームで癒したりしています。このようにいろいろな手段で癒すことはできるかもしれませんが、リアルな人間関係でカバーするよう努力が必要だと思います。
以前に書いたこのブログも参考にしてください。
Hanging out しない? - Heaven's Kitchen / 清水のブログ by Seed Master Consulting
私は職場で理解し合える友人を作ることを推奨します。とかく、仕事とプライベートを分けたがる考えの方が跋扈しているような気がしています。もちろん、いいんです。しかし、職場以外のプライベートの世界にたくさんの友人がいることは素晴らしいですが、職場で作ることを避け、実はプライベート優先だと言っていながら、それは一人でゲームをすることを楽しみたいということを指しているのだったら、考え直した方がいいと思います。職場もプライベートも孤立している状況なら、まず人間関係を作りやすい職場仲間に、自己開示をして信頼関係を作った上で友人関係を構築することをお勧めしたいと思います。その方が日常的に半径10m以内にいる人を対象にする、即ちハードルが低いと思うからです。もちろん、学生時代の友人と再び交流するよう誘ってみるのもいいですね。
そういう時に、自分から声をかけることを躊躇しないことが重要です。もちろん誰でもちょっと躊躇しますよね。断られたらどうしようとか・・・ まずは勇気を振り絞ってコンタクトしてみることをお勧めします。ダメもとでいいんです。やっぱりだめだったか~と落ち込む必要はありません。冷たい奴だと勝手に相手を悪者にすればいいんです。気安く声をかけるのも慣れが必要です。まずはやってみること。それが何より大切です。

居心地の良さそうな空間も僕は孤独を感じてしまう。これも加齢のせいかもしれない。
@高輪ゲートウェイ