夏も終わりを告げるのか

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大濠公園はオアシスだった

■DX時代の人材像と育成方法

皆さんこんにちは。今一つの天気が続きます。その分涼しいのはラッキーですが気分が陰気になるのは何とかしたい。

さて、今日は昨日参加したある企業主催の講演会&ワークショップの話から。以前にある企業の依頼で社内勉強会に登壇したことを書きましたが、その企業が開催している一種の勉強会に参加しました。講演はNRIの上級コンサルタント 上田さんです。その途中で3度のワークショップ。いろいろな企業の方と混ざって議論するのは楽しいものです。今回は40人強。人材開発関係の方が多かった印象です。僕がブッチギリ最年長かなw

講師の論点は、「AI時代は、人に求められる重点が『創造的思考』『ソーシャルインテリジェンス』『非定型対応』へと変わる」「AI導入は、業務と組織を再設計すること」「AI時代の人事は、エキスパートの人材ポートフォリオを組み、活躍させる」でした。彼は雑誌に連載を持つなどレポートもたくさん出しているので読んでいる方も多いかもしれません。AIに仕事を奪われる云々と以前センセーショナルな扱いを受けた記事がマスコミからたくさん出ましたが、もともとその震源になったのが彼の研究だったようです。マスコミは間違った解釈をして記事化したとのことですが。。。

彼の講演でも指摘していることは、AIが人を単純に代替するモデルにはならない。AIを使いこなし人ならではの業務にシフトする、ということ。そうですね。私も以前に読んだ話を受け売りでよく話しますが、仕事には“作業”と“創造”があります。多くの人が“作業”に追い回され、忙しい忙しいと嘆いています。人によってはその忙しさが能力の証明のように快感に感じたりしますね。我々がチャレンジしなければならないことは、“作業”に費やすマンパワーの多くを“創造”にシフトしていくことですね。AIはそのツールだと思えばよいわけです。“創造”が企業や人が生み出す価値なわけですから、シフトできなければ尻つぼみ、未来はないわけです。仕事を奪われるのではなく、進んで“作業”をAIなどを活用することによって、減らすことが必要不可欠なのです。そのうえで、新しい価値をそれもイノベーションによって生み出していくのです。それがDX。即ち“変革”の本質ですね。

彼が紹介した事例の中で、Googleのプロジェクト・アリストテレスの話が面白かった。チームが成功する要素は優秀な人を集めることではなくて、信頼などの心理的要因が大きい。「心理的な安全性(さらけ出せる)」「相互の信頼性」「チーム構成と明確さ(明確な役割やゴールを持っている)」「仕事の意味(仕事が個人にとって重要だと思える)」「仕事のインパクト(社会的意味)」よく言われることでもありますね。人間性重視の組織にしなければならないということです。HBRにもそれに似た指摘があります。https://www.dhbr.net/articles/-/6098 「調和」や「貢献」「感謝」から生まれる「喜び」が強い組織の方が成果が出る、というものです。感謝や信頼を生む組織を作り上げるのがマネジメントの要諦なのです。それは全く同感ですね。AIなどに支えられたDX時代だからこそ、リーダーの責任は重たくなるのでしょう。

また、オーナーシップ文化で有名なシーメンスでは、6つの新しいエキスパートを定義しているそうです。「アントレプレナー」「コーディネーター」「コーチ」「スカウト(外とつながる)」「(実装する)トランスレーター」です。詳細はシーメンスのHPを見てください。それらはAIでは担えないことを担うエキスパートなのです。DX時代に必須な能力という意味ですね。

DX時代にトップランナーでいるためにはHR的なチャレンジが必要不可欠です。多様な議論が出て楽しいひと時でした。

 

バイアスに抗う

今まで、長い間以前に勤めていた会社の中でブログを書き続けてきました。意識していたのはバイアスに抗って壁にぶつかり折れそうになっている中堅や若い人たち。それは管理職であったりそうでなかったり。年齢も性別も経験も関係なし。なんだかおかしいよね。やってられないよね。これからどうなるんだろう。などと迷ったり悩んだり落ち込んだりする人たちに勇気を出してもらいたい、という気持ちでした。

そんな人たちとたくさん話しました。そんな人たちを部下に抱える管理職の人たちともたくさん話しました。幹部の人たちの多くはそんな人たちの気持ちを理解していないでしょう。見ず知らずの悩める若手の駆け込み寺のようでもありました。メールもいただきましたし、直接会いにいらっしゃる方もいました。できる限り、私なりに親身に相談にのってきたつもりです。

なぜそんなことをしてきたのでしょうか。自分の業務とは直接的な関係はないし、担当するドメインの業績などとも全くリンクしません。ブログに日々のオペレーションのことはほぼ書きませんし、今季の目標は…なんていうことも書きません。多少なりとも長く生き、いろいろな経験もし、失敗も重ね、いろいろな方々、顧客や業界関係者ばかりでなく、多種多様な方々との交流も広く深く、直接経験したこと以外にもいわゆる疑似体験もたくさんしてきました。それは私にとってはかけがえのないものです。それらの積み重ねで得たもの、学んだものを若い人たちに伝えるのが先輩としての務めであると思っています。私は昔から、部下が管理職に昇格した際に話してきたことの一つが、「伝えたいことがある」人しか人の上に立ってはならない、ということです。そんな生意気なことを言えるような人間ではないのかもしれませんが、そう思うことで伝えるべきことを考え整理しそれを発信することによって、自分という身を材料として投じることが重要だと思ってきました。触媒がなければ化学変化は起きにくいと思うのです。材料・触媒になれればよいと。多くの部下からやめた方がいいとか、危なくて見てられないとか言われましたが…w 心配ご無用と笑ってきました。会社の幹部のほとんどは私のブログは読んでいないし、興味もないでしょう。それを分かっていたからこそ勝手なことを書きやすかったといってもいいのですw。実はトップも読んでくれていました。私の意見はいつもちゃんと聞いてくれました。

そんなことを続けているといろいろなことにあらためて気づきます。多くの社員は想像以上に世間の動きを知らない、顧客の事実を知らない、業界みんなが知っていることを私たちだけが知らない、みんなが友達同士なのに私たちだけが仲間に入れないなど。これはセクションによってすごくばらつきます。すごくオープンな組織もありますが、その全く逆の組織もあります。典型的なムラ社会です。一見どうしようもないくらい閉鎖的な組織もありますが、間違いなく言えることは、“変えることはできる”ということです。話を聞きちょっとアドバイスすれば、大胆な処方箋のアイデアは出てくるものです。面白いくらい目を輝かせてチャレンジ精神を発揮できる人はいるものです。そういう経験をすると楽しくてしょうがありません。もちろん、変革をリードしてくれる張本人も楽しいでしょうね。

昨日ワークショップに参加したある大手企業の方は、会社の中はバイアスだらけ、風通しは悪く上意下達だけだとおっしゃっていましたし、別の企業の方は、トップや幹部に他社からの転職者が多数増え、一気に変わり始めたと。前にJALの話も書きましたが、残念ながら内部の内発的なエネルギーでは変われない企業は多いのです。しかし、先ほど書いたように、私は絶対にできると思っています。絶対に。それが私が起業した動機なのです。もちろん転職者の力を触媒に変えて、正にダイバーシティーによる化学変化は大きな力であることは間違いありませんね。

最近名だたる企業でHRを担当する役員と何人かお知り合いになる機会を得ました。驚くのは皆チャレンジャーであることす。古い考えに囚われることなく、社長と闘い、会社を変えようとラジカルを地でいく人たちです。多くは転職を重ね、変革請負人のようです。もちろんダイバーシティが変革のエネルギーだと分かっているからこそ、社長はそのような人をハンティングするのでしょう。

 

■今日封切の映画を知っていますか?

今日「ロケットマン」が封切になりました。早速観たんです。一言でいうと良かった~

主演のタロン・エガートン(読み方がいろいろある)がよかった。彼が主役を努めたキングスマン:ゴールデン・サークルも良かったけれど、とても同一人物とは思えない。歌もピアノも本人が全てやっているそう。プロとは何かを見せ付けられた感じ。そういえば、キングスマンには、エルトン・ジョンがちょっと出てたんだよ~w

名声と孤独。彼の孤独が目の前で叫んでる。落ち込んでいるときに本当に助けてくれる人は誰なんだろうか? 彼の場合は肉親ではなかった。肉親はむしろ冷たく彼を突き放し、蔑んだ。そんな悲しい人生があるだろうか。悲しい。

最近のミュージカルに近い映画に名作が多い。ララランド、ボヘミアン・ラプソディに続き本作、皆観ましたがこれが一番かも。

孤独ほど自分を傷つけるものはないと知った。オープンであること、インクルーシブな心を持つこと、素直に愛することが、1番大切だね。そうしようね(^^♪

 

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日本のお盆の典型的風景

 

読むべきレポート

中村伊知哉教授がYAHOOニュースに寄稿したレポートにインスパイアされて少し書きたいと思う。彼は、総務省のあるドキュメント作成の編集委員になっているとのこと。そのレポートが非常に興味深いので是非読んでほしいと。それは、「令和元年版情報通信白書」

私は仕事柄、諸々のレポートには結構目を通してきましたが、もちろん全てではなく、私自身が関与していた団体の関係であるとか、以前勤めていた渉外や政策をフォローしているチームの推薦があったものを読んでいた。その一部は会社の経営陣のミーティングで概要を時々説明もしていた。しかし、彼に指摘の通り、日本のDX化などICTテクノロジーを使ったイノベーションの遅れは、ますます明確になり、同氏の推薦を待たずとも、それはいろいろなレポートで随分と指摘されてきた割には、日本企業の多くの経営陣には届かず、欧米にキャッチアップするどころか、ますます差は開くばかりというのがデータとしても実感としても更に明らかになっている。

「令和元年版情報通信白書」http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000143.html

概要版を読む限り諸兄にとっては既知のことだと一刀両断されるかもしれない。それは読み手のおごりであるようにも思える。実のところ私もそう感じた。「分かってるよ」と。

本編を読もう。それは読み物としても面白い。例えば、ICT進歩の歴史は、オッサンにとっては歩んできた道ともいえるわけで感動もないかもしれない。しかし、今の若い世代にとっては新鮮な驚きだろう。これらの進歩を見ると、一部の時代を除き世界の中で日本がデファクトを取り損ね、どんどん追従路線でいかざるを得なかったことがよくわかるし、イノベーションの中心にいなかったこともよくわかるのである。それは総務省の自虐的反省をベースにしている匂いは全くしないが、客観的に何を学ぶかを投げかけているようにも感じる。これからの世代はそこから何を学ぶのか?

ITの変化だけ見てもその荒波にもまれ続けてきた身としては、ますますこれからの変化の波のマグニチュードを想像せざるを得ない。メインフレーム、クラサバ、クラウド、エッジ…これから先はどうなるんだ???

日本の相対的位置付けの危機感は言われて久しい。P34~36辺りの話は皆さんも見たことはあろう。しかし、見ただけでは何も残らない。これが実態であり、ICT投資の純減の歴史がそのまま日本の競争力の減退、そしてGDPの逓減に繋がっていると捉えるべきでしょう。それに対して経済界も政府も真にインパクトを与える動きができなかったから今がある。これから良くなるという気配もない。投資は相変わらず減っているのだ。

P39~41の通り、機器の製造はもっと悲惨だ。これもJEITAのレポートはずっと前から指摘しているもので、日本のイノベーションが持続的イノベーションに偏っていたツケ以外の何物でもない。それしかできなかったのである。先進ゆうーざが目の前に存在しないことが致命的なのだ。であれば先進うユーザがいる北米に進出するしかないのに、ICT機器でそのリスクをとった企業はない。

第2章以降デジタル経済の変化の解説が悩ましい。これからどうなるのか?書いてあることに今から投資をしても、ブルーオーシャンを創れまい。もちろん目の付け所のユニークさによりちょっとした優良事業は作れるだろうが、日本は救えない。

第3章プラットフォーマーの議論は最低限の知識として今の経営陣は理解しておかなければなるまい。しかし、これからどうなるのか?景色は一気に変わる可能性もある。これはGDPRなどEUの動きから目を離せない。日本もルールメイキングに政府としても大きな投資や人材の投入を進めるべきだ。これから面白くなるぞ~。こんな仕掛けが活きてくるからなんていう話がどんどん出てほしいものだ。

AI、創薬個別化医療、案外ゲーム、製造業のIOT…など日本の得意領域はまだまだあるはずだ。誰が大胆に投資をするのか? どこの国をマーケットにするのか? 今までの考え方の延長線上に未来はないと思う。

DXの本質は何なのだろうか? 本レポートはその点を深く指摘している。ITとOTのボーダーはなくなるという視点で私も指摘していたが、ITのマーケットは逓減していこうが、OTとの境目がなくなり言い換えるとOT分野に広がっていくので、IT領域は逓減していく状況にはならないと思うのだ。

また、ITの進化とDGPの関係を指摘するいろいろな意見を総括している点でも、とても有益なレポートだと思う。何が正しく、何が間違っているかの議論には正解が存在せず、多様な見解は全て正解なのかもしれない。いえることは、今までの価値観は意味をなさないということ。今までの延長線上の価値観に未来はないということ。経営陣自体が見方を変えなければ生き残っていけないのだ。

デジタル経済の進化について書いたP149辺りからの指摘は、社会学的にとても興味深い指摘だ。我々ICT産業が社会のどのように貢献すべきなのか? 答えは見えているはずなのだが、経済との両立を実現できなければ意味をなさない。限界費用ゼロで企業の経済をどのように成り立たせるのかはきれいごとでは解決しそうもない。しかし、その理想と現実のはざまにしか未来はないのかもしれないのだ。

いささかボリューミーなレポートだが、この渾身のレポートを多くの人(経営陣も若手も問わず)に読んでもらいたいと願う。

さて、DXやXTECHの推進には人材育成も不可欠であるが、そこにも日本の大きな問題がある。大学でコンピュータサイエンスを教えるところはほとんどなく、数学は人気薄、データサイエンティストは枯渇し、理科系人気は地に落ちた。これも一つの原因ではあるが、企業の経営陣の危機感が薄い。だからこそ投資をしない、だからイノベーションが起きない、というのと同様に人材も育たないのだ。育成には時間とお金がかかり、買って来ればよいという短絡思考は通用しがたい。できないわけでもないが、語学の壁も立ちはだかる。

その辺をIPAのレポートが深く指摘している。DXは成果が短期間に出にくく、それを支える人材は枯渇している。積極的に推進することを邪魔する文化も根強く、大胆な変革を進めないと更に危機的な状況になるというような指摘だ。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。

「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」

https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20190412.html

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やっと芽が出たミニトマト。もうすぐ水耕栽培のキットに移すよ。実は第一弾に失敗し、種を買いなおしたんだ。Seed Masterの名に懸けて収穫に成功させないとね。

 

ティータイムに思う

昨日夕方のTeatime、ある公的団体のビルにあるレストラン(先日まで勤めていた会社のそば)で待ち合わせまでの時間を潰していた。そこでびっくりする経験をした。ホール担当の男性が鮮やかな青いシリコンの手袋をしてサーブをしているのです。コーヒーも料理も… もちろんをの手でアイスコーヒーのストローも差して私のところに持ってきます。 そのままスプレイの洗剤を使いながらテーブルを拭いたりも… そしてそのままほかの客にパスタをサーブする。私は気分が悪くなりました。

それでも、もしかしたら火傷など怪我でもしたのかしら? などと思うことにしたのですが、お会計の時に「どうしたんですか? その手?」と聞いてみた。「は?? ああ、水仕事で手が荒れるんですよ」だって。

手が荒れるのは分かる。しかし、サーブするときは手袋を外せよ!!! サービス業の何たるかが全くわかってない。少なくとも私はその店には二度と行かない。

以前に美容院の話を書いた。多くの新米美容師は毎日多くの顧客の洗髪をする。そのせいで手が荒れて、辞めていく人が多いらしい。私は美容院の経営者は、美容師に洗髪時にシリコンの手袋をするように指導すればよいと思う。髪を染めるときはそうしているんだから同じでしょ、と。

それと上記のサーブ問題は根本的に違うのである。私は信じられなかった。

 

不都合な真実を知る

以前から、現在は「人類史上最も変化の激しい時代」だと話してきた。このような時代に企業や組織のトップや幹部の責任は重い。しかし同時に、的確な判断をするために必要な情報が確実に届くことを日々担保しなければ、危なっかしくて安眠できやしない。

昨年10月のHBRにある「リーダーが不都合な真実にたどり着く方法ーMIT Hal Gregersen」が興味深い。インフォシスの共同設立者のナンダン・ニレカニ氏は「リーダーは、コクーン(繭)の中にこもることができます。よい情報だけが入っていくる繭です」と述べている。「社員の誰からも『大丈夫です。問題ありません』と言われたのに、翌日になると何もかもが違っていることがわかるのです」と。

「権力と地位が作り出した『繭』により、社内のトラブルを知らせる第一報が届かなかったら、組織外からの信号、特にかすかな信号が早い段階でトップに届くのは不可能に近い。競争市場の変化が激しい時代において、これは由々しき問題である。劇的な変化が迫っている場合、最初の兆候は市場の周辺での漠然とした出来事に現れるのが通常だからだ。」

トップがあれを出せ、あの状況はどうなったなどとしつこく要求すれば、忖度した情報にお化粧直しされるかもしれないが、情報は届くだろう。しかし、もし要求しなかったらどうなのか。トップは神様じゃない。気づくことなんかたかが知れている。ほとんどのトップはそれ以下の人よりは感度に優れているだろうが、それでも「将来の市場競争を一変させる急展開の兆しにも気づいていない」なんていう話はよくあるのだ。

 

■適切な質問

「このような想定外のリスクを説明する表現の一つとして、『未知の未知』がある。2002年に当時の米国防長官だったドナルド・ラムズフェルドが使って有名になった言葉だ。」

「『既知の知』つまり知っていると分かっているものがある。『既知の未知」つまり知らないと分かっているものもある。その上に『未知の未知』というものもある。つまり知らないと分かっていないものである。難しいのはえてして最後の分野である」

ラムズフェルドが言及したのは軍事的脅威についてだったが、どこからともなく現れたように思える事業への脅威も、同時に極めて危険なものであるかもしれない。」そう、そもそも知らないと気づいていないから突然どこからともなく現れたように見えるのだ。私が以前から指摘しているように「ホラー・ストーリーを想像せよ」と言っているのはこれをさす。「未知の未知」を描くようにチャレンジしなければ危機は不意に訪れるのだ。

「『未知の未知』の領域は、往々にして鋭い質問によって明らかになる。イノベーションの泰斗(たいと:その道の大家として尊ばれる人。第一人者。)であるクレイトン・クリステンセン(私のブログには何度となく登場してますね)が述べたように、『どんな答えにも、それを引き出す質問がある』のだ。ところが、適切な質問を形成するのは難しい。イーロン・マスクも指摘している。『多くの場合、質問をするのは、答えを出すのよりも難しい。質問をうまく言い表せたら答えを得ることは簡単なのです。」と。

GEの元CEOジェフ・イメルトもこう言う。「『集中的な内省が必要な瞬間』に根本的な問いかけを促す強力な文化が必要だ」と。

「イノベイティブなCEOが定期的に情報収集に努めているがそれだけではない。彼らは『CEOなのに間違っている状況』『CEOなのに居心地の悪さを味わう状況』『CEOななのに口を閉ざす状況』へ意図的に自分を追いやっている。そうすることで、適切な質問を形成する可能性を高めている。これが、かすかで極めて重要な信号を聞き取るのに役立つのだ。

 

■間違っている状況

「リーダーはあらゆる問題の答えを出そうと決心すると、自分が知っていることの枠から出なくなる。『未知の未知』の領域の扉を開けようとしているのなら、その習慣を改めなければならない。」

チャールズ・シュワブのCEOであるウォルト・ベッティンガーは「成功している幹部とそうでない人の違いは、意思決定の質ではありません。」と述べている。「おそらくどの幹部も60%は正しい判断を40%は間違った判断を下します。何が違うといえば、成功している幹部は判断の誤りを認識して是正するのが速い。しかし、失敗している幹部は意見を譲らず、自分は正しかったと社員を説得しようとしがちなのです。」リーダーは間違っていることを受け入れなければならないのだ。リーダーたちは自分を材料として、これまでにした失敗したことや学んだことを包み隠さず話しているだろうか

「間違いを認めると、興味深く深刻な事実が指し示されることが多い。ほとんどの人にとって、自分の過ちを受け入れることは、まったくの無知だとみなされたくない気持ちを克服することを意味する。」

そう、トップは無知をさらし、「凄い!!!」なんて思われる必要などまったくないから、シンプルで単純で素直な駆け引きのない質問をぶつけるのだ。

 

■居心地の悪さ

「何かを発見するまでの過程では、必ずと言ってよいほど、自分は有能で状況を把握していると感じられる領域から脱却せざるを得ない。」「自分の得意な領域から遠のくと、自分が間違っていた時と同じく、神経を集中させた状態になる。自分の位置を確認し、不安な状況を鎮めようと苦労するうちに、新しい疑問が頭の中を駆け巡り、何らかの判断を下す前にあらゆる種類の情報を進んで収集しようとする。」慣れた居心地の良い場所にいるといつしかビビッドさを失うものだ。私が異動しろと進める理由がここにある。幹部は率先して得意な領域から出て、新しい目で見て感じて判断しなければならない。そういう発想の転換の繰り返しが、本質を突く質問を生むのだ。

 

■コーチの仕事

さて、このような変化の激しい時代を生き抜くためには、風通しの良い文化や青臭い議論を楽しむ日常を創造しなければならない。そのために幹部は自分のコクーンから出なければならないのだ。常にビビッドで居続けシンプルで本質を突く質問を部下やステークホルダーに投げつけなければならない。

コーチは繭に閉じこもりバイアスにまみれた幹部の目を覚ますために存在すると言っていい。バイアスの対極にいるコーチの適切で本質的な質問は、クライアントにとってはとても居心地の悪いものだ。時には心地よくない挑発もするだろう。クライアントは時にはいらだつ。それでもさらに突き放す。クライアントである幹部は自分で困難に立ち向かわなければならない。

特に経営経験のあるコーチには自らの失敗経験に裏付けられた深い内省がある。だから、何とかしたいという渇望がある。

そのためにコーチは存在する。

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経営は神頼みじゃないw

 

発芽待ち

■暗い日々

 

暗い空

手のひらに落ちる鉄色の雨粒

そう、まるで鉄の匂い

重く冷たい水

ベランダから突き出す腕が虚しい

 

35年ぶりくらいにかなり酷いぎっくり腰になった。先週水曜から身動きできない。それはちょっと言いすぎか。前かがみにもなれない。即ち、顔も洗えないし、床に落ちたものも取れないし、パンツをはくのも脂汗だw。靴紐なんて絶対に結べやしない。病院に行く以外一歩も外に出ていない。アポイントは全てリスケ。今まで何度も腰を痛めたが、リスケといってもゴルフをキャンセルしたり、座敷の会食を椅子に変えてもらったりする程度。コルセットをすれば何とかなった。

35年前に初めて痛めたときは、一週間寝たきり。当時はともかく寝ていろと医者の指導。これ以上こじらすと手術だと忠告されたが、その時の話がそら恐ろしい。前から開腹して胃などの内臓をどけて背骨を手術するのだそうだ。そんな恐ろしいことはまっぴら御免だ。腰痛とはそれ以来の付き合い。今回はその初回と同じくらい痛い…。

時代は進歩し、今や手術は前からなんてしないらしい。レーザーで日帰りもあるらしい。ひたすら寝ていろなんていう考えは古く、今は無理しない範囲で動けと。動くといってもすり足で超スローモーションのように歩くしかないんだけどね~。

早く治らないかな~。これからはまじめに姿勢を改善しよう。腰痛防止の椅子も買おう。トレーナーに腰痛防止のトレーニングを教えてもらおう。もう、こんなのは嫌だ。

4月に手首の靭帯を損傷して以来ゴルフはすべてキャンセル。もうそろそろ復活できるかと期待していたが、今度はぎっくり腰。来週のゴルフはまたまたキャンセル(涙)

 

■Seed

卒業記念にいただいた品の一つが水耕栽培のキット。ミニトマト栽培だ。現在種の発芽待ち。2,3日で芽が出るはずなのに、5日経つけど出てこないんだな~。

なぜ???

屋号Seed Master Consultingにちなんで頂いたのに(涙)

僕も頑張るから君も頑張って!!

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頑張れ!ミニトマト

 

人材デザインのシフト

みんさんこんにちは

梅雨寒の日が続きます。お元気でしょうか。

 

■人材デザインのシフト

昨日ある企業の依頼で社内勉強会に登壇しました。前職の時にずっと感じてきたことをお話しし、皆で議論しました。その企業は、人材育成や組織開発を本業にしているわけで、なんだか餅は餅屋の人たちに向かって話すテーマじゃないよねと感じつつも、素直に思っているままを明け透けに話しました。議論の材料になればとね。

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イノベーションを実現するリーダーシップと組織文化」

私はリーマンショックの時くらいから、今の時代は本当に変化の激しい荒波の時代で、圧倒的競争優位の企業もあっという間にその優位性を失い、下手をすると死滅しかねない、そんな企業にとっては経営の舵取りが非常に難しい時代だと思ってきました。

それなのに、環境に適合できず変革できない、即ち古い体質や企業文化や経営システムのまま、課題を先送りしている企業が多いのではないかと思っている。

典型的なのは、

古い価値観を押し付ける。

縦割り意識が強くコレボレーションが起きない。

排他的

オッサンがのさばる。オッサンとは、古い価値観に縛られ、既得権益テリトリー意識など)を振りかざし、それでいて、学ばず世間知らず、それなのに上から目線で独善的、肩書を意識しすぎ自己保身的、さらに、意味があろうがなかろうが時代遅れのルールに縛られている。そんな人々。実は性別も年齢も関係ない。

≫オッサンがのさばるムラ社会に染まっているまま、おかしいとも感じない。ムラ社会とは、調和がすべて、それを乱す人は排斥される、それが暗黙の契約事項。おかしいとか、変えよう、外を知ろうなどと言ったらしっぺ返しに合う。そんな狭い社会。中にいる人はそれが居心地がいいと勘違いしている。中からではなかなか壊せない。

≫DX(デジタル・トランスフォーメーション)やX-Techなど新しいイノベーションのチャンスにチャレンジしたいとは思うが、失敗したらどうするとか、そんな金はないとか、誰もリスクテイクしようとしない。

経営陣のリーダーシップがない。

若い人たちに「どんどんやれ」と言っておきながら、いつも梯子を外す幹部。

≫経営の優先順位はその場その場でころころ変わる。必ずと言っていいほど保守的な選択に。

などなど。こんな感じではなかろうか。

変わり続けることが唯一の生き残りの手段なのに、そんな体たらく。しかし、ビジネスの日常はとっくに変わってしまった。ディスラプターはいつの間にかあなたの隣にいるのだ。

思い出してみよう。昭和の時代は企業の経営課題、さらに社会課題はほぼ分かり切っていた。何をどうすれば競争優位に立てるのか、利益を上昇させることができるのか。難しい課題にチャレンジするときだって、専門家の手を借りればその込み入った課題を解決できる正解を導き出すことはできた。しかし、現在はどうだろうか、そんな分かり切ったことはとうに解決済みだし、それを実行できたとしても価値にはならない、即ち競争優位を創造することなんてできないのだ。誰も実現できていない新しい価値を創造できなければ、ビジネスの拡大も収益の拡大もできないのだ。しかし、そこに方程式はない。いくらコンサルに高い金を払ったって正解を教えてくれるわけではない。顧客や社会の困りごとを解決できる新しい手段を創り出し提供しなければ、企業は成長できないのだ。

誤解を恐れず言うと、今までは言われたことがちゃんとできればよかった、例えばQCDを守るとか、仕様通りのものを作るとか。そこに必要なのはロジカルシンキングPDCAの履行だった。

しかし、それではイノベーションは起こせないのだ。クリステンセンなどの稀代の経営学者が看過したように、だから大企業にイノベーションは起こせないなどと、一刀両断にされるのだ。

我々に残されているチャレンジは、気づいていない問題を解決すること。まさにイノベーションを起こすこと。そのためには、PDCAでなくOODAロジカルシンキングではなくデザインシンキング方程式を解くのではなく、正解のないことに挑戦する持続的イノベーションではなく、破壊的イノベーション重厚長大なやり口ではなく、リーンスタートアップQCDを守るのではなく、0から構想するなどいう価値観を地でいく人材を育てないとならないのだ。それには全然違う人材が必要なのだ。人は突然変われはしない。スキルを学んだって、性根が変わらなければ上司の一言で元の木阿弥だ。

経営環境が変われば人材のデザインも変えなければならない。もちろん頭ではわかる。しかし、経営陣の頭は固い。人事の頭はもっと固いのだ。なぜ日本に企業は経営のアジリティが高まらないのだ。人材デザインのシフトをすると決めるのに、なぜ3年も5年もかかるのだ。人材ミックスを変えるのには時間がかかるのだ。一日も早くそれに気づきスタートしなければならないのに。いやいや、何年たっても考えてもいな企業が多いのかもしれない。人事が一番のムラ社会だったりしてw。トップが気づいた時には既に取り返しのつかないことに。あとは人材を買うために一気にM&Aに走るしかなくなる。それも重要な戦略の一つではあるが。

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私が考えるリーダー像はこんな感じだw。このようなリーダーをいかにたくさん作るか、リクルートするかで今後の企業の成長力が左右される。

緻密な秀才ばかり集めてどうする。まさに必要なのは“Diversity & Inclusion

卒業

6月末で41年勤めた会社を退社した。こういう時に「勤め上げた」なんて言うんだろうね。時間が人々の尊敬を集めるのかしら。日本人らしい。しかし、時間なんか関係あるまい。何を成し遂げたのかが価値なはずだ。

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こんな送別会も

近年社内の人たちのコーチングをしていて、彼らの変革テーマの視座の低さに自ら気づいてもらいたいときに投げかける質問が「成し遂げたいことはなんなのか?」。多くの人ははたと悩む。視座の低さに気づくんでしょうね。

私の成し遂げたかったことは何なのだろうか? もちろん、その時の状況や危機感、ミッションやモチベーションによって変わる。自分に問いかける。「俺のやるべきことは何なのか?」「俺は最善を尽くしているのか?」なんて。自らの尻を叩くように視座を上げてきた。

ある時は部下たちに対して2時間も経営戦略を説明したり、1時間以上のビデオメッセージを出したり。何もそんなことをする必要もないし、そんなことをしている人に巡り合ったこともなかった。それが自分の責任の表現だった。どれだけ伝わったかは分からない。しかしそんな姿勢を続けた私の思いは多くの人に伝わっていたんだろう。退社するにあたって、多くの方から言葉をかけてもらったり、送別会をしていただいたり(それは7月になっても続くがw)。とても嬉しかったし、安心したりもした。

 

■始めた仕事を紹介しよう

まずは屋号を紹介しましょう。

Seed Master Consulting」。Seed即ち、種または種まきの意味だから、種まきの親方(プロ)てなイメージに読み取っていただければ嬉しい。ま、強引ですけどww 

今までブログで書いてきたように、変化の激しい時代を乗り切るためには自ら変革を続けるしかない。指示されたことを愚直にやり切るだけでは乗り切れない。今までの延長線上に未来はないのだ。有能な皆さんが変革に目覚めるためには、適切なコーチングとメンタリングが最も大切だと痛感してきた。ブログにも書きましたよね。

しかし、一般のコーチはいわゆる業界知識も経営経験もありません。あるのはコーチングスキルだけ。私はそれだけではクライアントが抱えている課題を解決出来ないケースが多いと思うのです。もちろん、気付きを得て自ら憑き物が落ちたように目が覚めるというケースもあるでしょうが、今の時代はスピードが勝負。さっさと課題解決にまっしぐらに進みたいというニーズが多い。そのためには“ひとにフォーカスするコーチン”だけでは物足らないと思う。“課題にフォーカスするコンサルティング”と相まって、クライアントが成長しながら短期間に課題が解決出来ると思うのです。新たな課題は毎日のように発生する。コーチングによって何らかの幸せを獲得するだけでは、ビジネスの世界では満足できないと思うのです。

即ち目指すのは「コーチングとコンサルティングの融合 (Coaching × Consulting)」です。いうのは簡単ですが、実際はチャレンジだ。

そして種まきといえば人材だけではない。イノベーティブな新規事業開発は数が勝負。種をいかに撒くか。そして上手く育てるかだ。社内でもまだ分かっている人が少ないのが現状だが、前にも書きました2階建ての経営やイノベーションフレームワークをいかに実践するかが重要な課題になる。BI(イノベーション組織)やマーケティングで経験したことが活かせるのではないかと思っているわけだ。

私のライフデザイン第2版はどのようにスタートできるか? これはやってみなければ分からない。ただ言えることは、クライアントの獲得から、コーチング、コンサルティングのレベルアップやアップデート、実行からマーケティング経理までひとりですべてをやることだけは間違いないということ。クライアントの要望にいかに応えるかはもちろん重要だが、あとはすべてマイペースで自分のやりたいことをやりたいように進めるのだ。それを楽しめなければ、やる意味はない。さっさと違う仕事を始めた方がよい。しかし、簡単には諦めません。そこに価値がある間は。

小林さんのハラペーニョ



今回の記事は社内ブログ( 2019/02/03)を改変して転載しています。

 

■軽井沢

数年前の夏、毎年行われているNECがスポンサーの“NEC軽井沢ゴルフトーナメント”のプロアマ大会で、私はある経済界の大物と一緒にラウンドした。組み合わせは事務局で決めるのだけれど(女子プロは前夜祭の抽選で決める)、そのときは事務局から「ちょっと対応が難しい方がいらっしゃるんですが、その方と回ってくれませんか」と頼まれた。清水さんなら怒らせることなく上手くやってくれるでしょうと彼の顔に書いてあった。「いいよ!」と私。そのお相手とは、経済同友会代表幹事の小林喜光さん(三菱ケミカルホールディングス取締役会長)だった。

小林さんの話を直接聞いたことはあり、辛口だとは分かっていたものの、面と向かって話すのは初めて。事務局のコメントが多少引っかかったまま丸一日ラウンドそして表彰パーティーとご一緒した。謙虚で優しく私にまで気を遣ってくださる笑顔がチャーミングな方だった。私の不躾な質問にもフランクに答えてくださり、私はその一言一言の裏に彼の強い意志を感じたのでした。彼はその時点で、三菱ケミカルには時間的に1割程度しか充てておらず、残りはすべて同友会などの経済界に投入しているとのこと。それは彼に強い危機感があるからなのだった。このままでは日本は死ぬという危機感。

 

■敗北

その彼のインタビューが1/30の朝日新聞に載った。最近彼は「日本が2度目の敗北に直面していると危機感」を持っているという。「平成の30年間、日本は敗北の時代だった」と。

例えば、30年間で世界の企業の時価総額はガラッと変わった。日本企業がトップ10の8割方を占めていたが今や1社もいない。更に上位はネット系が占め、モノづくりの企業はほとんどいない。「企業の盛衰が反映するGDPでも伸び悩む日本に対し、米中は倍々ゲームで伸ばしていったのです」

「テクノロジーはさらに悲惨です。かつて『ジャパン・アズ・ナンバーワン』などといい気になっているうちに、半導体太陽電池、光ディスク、リチウムイオン電池など、最初は日本が手がけて高いシェアをとったものもいつの間にか中国や台湾、韓国などに席巻されている。もはや日本を引っ張る技術がない状態です」更に彼は通信の世界でも5Gでは後塵を拝し、自動運転や遠隔医療の時代にこの有様ではこれを「敗北と言わず、何を敗北と言うんでしょうか」と剛直球を投げ込んだ。

 

■事実を直視する

日本人にはなぜかすぐ追いつけると無根拠なのんきさが強い。なぜか? それは事実を事実と受け止めないからだと仰る。本当に同感だ。恐らくどの会社でもある。当社にも存在しているのではないだろうか。外の技術や営業力など競争力を相対的に低く見て、自社のそれを高く見る傾向。無根拠だ。都合の良いように見ているだけ。これは致命的な問題なのを分かっていない。上司が聞きたい報告を捏造しているようにね。最悪だ。社内の報告書もその傾向が強いね。耳障りが良い内容そして表現。なぜ自虐的な反省が全然出てこないのか? そんなに素晴らしいのだったらもっと儲かってるはずでしょ。最低だ。

アベノミクスに対しても辛口だ。「『財政出動、金融の異次元緩和を進めるから、それで成長せえ』と言われました。しかし本来は時間を稼ぐため、あるいは円高を克服するために取られた手段で、それ自体が成長の戦略だったわけではないのです。この6年間の時間稼ぎのうちに、なにか独創的な技術や産業を生み出すことが目的だったのに顕著な結果が出ていない。ここに本質的な問題があります」

内閣府の2018年6月の調査でも74.7%の国民が今に満足していると答えています…心地よいゆでガエル状態なんでしょう。日本全体は挫折状態にあるのに、挫折と感じない。この辺でいいや、と思っているうちに世界は激変して米中などの後塵を拝しているのに、自覚もできない

皆で楽しく生きていきましょうという空気が取り巻いて敗北を自覚しない

「経済、技術を通した地経学的な見地が死活的に重要です。現在は歴史的な革命期にあると皆が認識すべきです。5GもAIもサイバーセキュリティーも、日本は本当に遅れてしまい、基幹的な技術を欧米や中国から手に入れなければ産業、社会が立ちゆかなくなる。外国政府や企業を無視しては国家全体が成り立たなくなる。リーディングインダストリー(成長を引っ張る産業)を自国の技術で育てることができず、他国の2次下請け、3次下請けとして食いつなぐ国になってしまう」

日本はどうなっていくのだろうか。以前にも書きましたが2017年ギャラップ社が世界的に行った従業員エンゲージメント調査によると、日本では熱意あふれる社員はわずか6%139カ国中132位やる気のない社員は70%に及んだ。同時に上記のように“今に満足している”?って。やる気はないけど満足しているってこと? どう解釈すれば良いのだろうか????

トランプ氏の内向き政治に辟易する一方で、日本人がどれだけ内向きなのか世界の競争環境を知ろうともせず、自社の技術や能力が世界の中で戦えるレベルにあるのかどうかすら、分かっていない。それが問題とも思わない。なぜなら、外を知らないから、内部でやった振りだけしていれば自己満足に浸れて、いっぱしの給与ももらえるから。自分達が劣っていると正直に言っても、古い価値観に縛られている仲良しクラブの心地よさで茹だった独善的かつ決定的に視野の狭いオッサンに一喝されるから? それじゃあ日本はダメになるよ。

 

■リーダー達よ

外を見よう。事実を事実としてとらえ自虐的とも言える反省をしよう。どれだけ劣っているのか、どれだけ井の中の蛙でいたのか。じゃあどうすれば良いのか? 

闘え!!

変革していこうとする意志をめらめら出すのだ。今までの既定価値観を捨てよう。縦割りのテリトリーを捨てよう。上司の顔を思い浮かべるな!

 

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唐辛子

可愛いけど辛いというのが良いねw  これ、唐辛子ですよ。