人材デザインのシフト

みんさんこんにちは

梅雨寒の日が続きます。お元気でしょうか。

 

■人材デザインのシフト

昨日ある企業の依頼で社内勉強会に登壇しました。前職の時にずっと感じてきたことをお話しし、皆で議論しました。その企業は、人材育成や組織開発を本業にしているわけで、なんだか餅は餅屋の人たちに向かって話すテーマじゃないよねと感じつつも、素直に思っているままを明け透けに話しました。議論の材料になればとね。

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イノベーションを実現するリーダーシップと組織文化」

私はリーマンショックの時くらいから、今の時代は本当に変化の激しい荒波の時代で、圧倒的競争優位の企業もあっという間にその優位性を失い、下手をすると死滅しかねない、そんな企業にとっては経営の舵取りが非常に難しい時代だと思ってきました。

それなのに、環境に適合できず変革できない、即ち古い体質や企業文化や経営システムのまま、課題を先送りしている企業が多いのではないかと思っている。

典型的なのは、

古い価値観を押し付ける。

縦割り意識が強くコレボレーションが起きない。

排他的

オッサンがのさばる。オッサンとは、古い価値観に縛られ、既得権益テリトリー意識など)を振りかざし、それでいて、学ばず世間知らず、それなのに上から目線で独善的、肩書を意識しすぎ自己保身的、さらに、意味があろうがなかろうが時代遅れのルールに縛られている。そんな人々。実は性別も年齢も関係ない。

≫オッサンがのさばるムラ社会に染まっているまま、おかしいとも感じない。ムラ社会とは、調和がすべて、それを乱す人は排斥される、それが暗黙の契約事項。おかしいとか、変えよう、外を知ろうなどと言ったらしっぺ返しに合う。そんな狭い社会。中にいる人はそれが居心地がいいと勘違いしている。中からではなかなか壊せない。

≫DX(デジタル・トランスフォーメーション)やX-Techなど新しいイノベーションのチャンスにチャレンジしたいとは思うが、失敗したらどうするとか、そんな金はないとか、誰もリスクテイクしようとしない。

経営陣のリーダーシップがない。

若い人たちに「どんどんやれ」と言っておきながら、いつも梯子を外す幹部。

≫経営の優先順位はその場その場でころころ変わる。必ずと言っていいほど保守的な選択に。

などなど。こんな感じではなかろうか。

変わり続けることが唯一の生き残りの手段なのに、そんな体たらく。しかし、ビジネスの日常はとっくに変わってしまった。ディスラプターはいつの間にかあなたの隣にいるのだ。

思い出してみよう。昭和の時代は企業の経営課題、さらに社会課題はほぼ分かり切っていた。何をどうすれば競争優位に立てるのか、利益を上昇させることができるのか。難しい課題にチャレンジするときだって、専門家の手を借りればその込み入った課題を解決できる正解を導き出すことはできた。しかし、現在はどうだろうか、そんな分かり切ったことはとうに解決済みだし、それを実行できたとしても価値にはならない、即ち競争優位を創造することなんてできないのだ。誰も実現できていない新しい価値を創造できなければ、ビジネスの拡大も収益の拡大もできないのだ。しかし、そこに方程式はない。いくらコンサルに高い金を払ったって正解を教えてくれるわけではない。顧客や社会の困りごとを解決できる新しい手段を創り出し提供しなければ、企業は成長できないのだ。

誤解を恐れず言うと、今までは言われたことがちゃんとできればよかった、例えばQCDを守るとか、仕様通りのものを作るとか。そこに必要なのはロジカルシンキングPDCAの履行だった。

しかし、それではイノベーションは起こせないのだ。クリステンセンなどの稀代の経営学者が看過したように、だから大企業にイノベーションは起こせないなどと、一刀両断にされるのだ。

我々に残されているチャレンジは、気づいていない問題を解決すること。まさにイノベーションを起こすこと。そのためには、PDCAでなくOODAロジカルシンキングではなくデザインシンキング方程式を解くのではなく、正解のないことに挑戦する持続的イノベーションではなく、破壊的イノベーション重厚長大なやり口ではなく、リーンスタートアップQCDを守るのではなく、0から構想するなどいう価値観を地でいく人材を育てないとならないのだ。それには全然違う人材が必要なのだ。人は突然変われはしない。スキルを学んだって、性根が変わらなければ上司の一言で元の木阿弥だ。

経営環境が変われば人材のデザインも変えなければならない。もちろん頭ではわかる。しかし、経営陣の頭は固い。人事の頭はもっと固いのだ。なぜ日本に企業は経営のアジリティが高まらないのだ。人材デザインのシフトをすると決めるのに、なぜ3年も5年もかかるのだ。人材ミックスを変えるのには時間がかかるのだ。一日も早くそれに気づきスタートしなければならないのに。いやいや、何年たっても考えてもいな企業が多いのかもしれない。人事が一番のムラ社会だったりしてw。トップが気づいた時には既に取り返しのつかないことに。あとは人材を買うために一気にM&Aに走るしかなくなる。それも重要な戦略の一つではあるが。

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私が考えるリーダー像はこんな感じだw。このようなリーダーをいかにたくさん作るか、リクルートするかで今後の企業の成長力が左右される。

緻密な秀才ばかり集めてどうする。まさに必要なのは“Diversity & Inclusion