前向きなフィードバックは充実感を連れてくる

「充実感」を感じた時を想像してみてください。

僕は満たされた感覚や精神的な幸せを頭に描く。日々充実した時間を送れたと実感できれば、こんな幸せなことはない。しかし、「あなたはどのような時に充実感を感じますか?」の問いかけに、「何かを完遂した時」と答える人は多い。もちろんよく分かる。「やり切った感」は何にも増して充実感を連れてくる。しかし、それではめったに現れないことを指してしまう。任せられているプロジェクトが成功に終わるなどというシーンは年に一度という感じのサイクルになってしまう。それではずいぶん寂しいではないかと思う。

もっと日常に「充実感」を感じる瞬間を創り出せないだろうか? 実は、それはリーダーの振る舞い一つにかかっていると思っている。何かの目的で集まったミーティングは、テーマの難易度が高い程、満足を得られる結論は出にくい。時間切れになったり、議論が空中分解したり、ストレスを感じたり、スカッとはしないものだ。しかし、チームが頭脳を持ちより真剣に議論したはずで、結論は出ずとも間違いなく一定の進捗を果たしたはずだ。多様な意見があることが分かったとか、混沌の中に一筋の光を感じたとか。ただ、都合の良い結論に至っていないだけだ。

そこで、リーダーの果たすべき役割は、進捗を客観視し肯定することだと思ってほしいのだ。抽象的でもいい。自分の感覚でいい。「A君の意見には驚いた。全く僕には気付かない新しい視点だった。次に進む素晴らしいヒントを得られた」とか、「問題点がたくさん出たね。僕は大分見えてきた感覚を得ているよ。トンネルの先に明かりが見えてきた」でもいい、「ありがとう、みんなの真剣さがよく分かったよ。それだけ難しい課題だったわけだ。今日は時間切れだったけれど、きっと次回には皆が腹落ちできる解を得られると確信している」という表現もある。要するに、リーダーは確実に進んだということ、この先にゴールは見えるという希望を口に出すことが重要なのである。悶々とした時間が報われる瞬間を生み出すのだ。そして、「また明日集まろう。皆の協力で必ず前向きな案を決めよう」と締めればいい。

充実感は毎日得られた方が良いに決まっている。そしてそれは、リーダーのる舞いやフィードバックによって如何様にも演出できるのである。皆の気持ちを受け止めて将来にスポットライトを当てればいいのだ。決して難しいことではない。

すぐにでもやってみよう!

大分登ったね。もうすぐ登りきるさ。