才能を活かす組織

若い人たちや、異能の人たちが伸び伸びと活動しているシーンをよく見ます。昨日までの日本シリーズを見ても、若い選手が実に多い。高卒2年目とか、育成から一軍に上がってすぐだとかの、経験の浅い選手が素晴らしい結果を残していますよね。大舞台に怖気づくこともなく、持っている力を出している。それに混ざる大先輩たちも、若手とフランクに話し、権威や実績というオーラを出さずに、チームメイトの一員になり切っている。それが今の時代のチームだろう。監督やコーチの考え方もそれを後押しするものに変わっているのでしょう。チャンスは公平に与え、能力や可能性を冷静に見極める。そして、どのように育てるのかを戦略的に考えています。間違いなく、育成する側される側とも、昭和の時代とは全然違う、そんなことを痛烈に感じました。

 

皆さんも、自分の才能もメンバーの才能も活かす組織を創りたくはありませんか?

 

11月号のForbes Japan の特集タイトルは正に「Defference is  a Strength !」

あなたの組織のカルチャーは、個人個人が持つ特徴を枠にはめようとしていませんか? 誰か(たぶんあなたを含める管理職)のちょっとした発言が多様性を阻害していませんか? 伸び伸びやろうよ。一人一人がユニークな個性を持ち、才能を持つ。それに気付く努力をしようよ。あなたが否定した特徴は才能かもしれない。部下の才能を一生眠らせておくつもりですか? それを活かすことができたら、カラフルで楽しい組織が生まれる。そこに集う人々は皆ウェルビーイングをたっぷり味わうことができるんですよ。それをまとめる自信がないのですか? 決して難しいことではありません。古い価値観を捨てましょうよ。

まず否定せずリスペクトしようよ。

 

D&Iが最近DEI(Diversity:多様性、Equity:公平性・公正性、 Inclusion:包摂性)に昇華していますね。Dを活かしきるためにはEが必要不可欠なのですね。

 

カラフルな個性を、管理者のあなたは知らないのはなぜなんでしょうか。一緒に仕事をしたことがないから? ミーティングなどコミュニケーションする機会はあっても、ほぼ一方通行(すなわちあなたが話してばかり)だから? 部下の個性や特長に興味がないから?(成果だけに興味がある) もしかしたら、知らないのはあなただけかもしれません。

個性を知る手段を考えてください。先日お話ししたクライアントは、私の勧めで部下とワークショップをし、自分がファシリテーターに徹したら、部下たちが皆前向きで、楽しそうで、それぞれ悩みが違って、それぞれ悩んでいて・・・など一気に自己開示が進んだとお話しされていました。今まで、一方的に指示をしその通り結果が出なかったことに落胆していたその方は、部下たちを見くびっていたと、その思い込みにすごく反省していらっしゃいました。そのたった一回のワークショップで、上司部下から仲間の関係に変わったのです。部下の個性など、今まで隠れていた(気付かなかった)能力や気持ちや特長に触れることによって、どれだけ幸せだったことか、想像できますね。

そう、バイアスを除いたコミュニケーションが何より大切だと思います。何度も書いていますが、コミュニケーションは質より量を意図的に確保してください。それがベースラインです。無駄など絶対にありません。

 

一人一人の能力を活かすことは、変化の激しい現代において最も重要な価値観です。クリエイティビティが道を拓きますが、一人のアイデアなんか大したことはありませんし、少なからず絶対にバイアスにまみれています。そこで重要なのがご存じ「共創」なわけですね。co-creation」共にクリエイティビティを発揮することです。それによって見えないものが見えてきたり、突然変異が起きたりするわけです。

金太郎飴の人材が集まった組織に、クリエイティビティ―の化学反応など起きません。カラフルな個性がはじける時に、進化が起きるのです。そこに横たわっているのは、リーダーのDEIという器だと思うのです。

オフィス街にもひたひたと秋が訪れた
もっとカラフルな木々を見るために山に行こうっと
豊洲