an elephant in the room「部屋の中の象」

先日、あるクライアントとお話をしていたら、その方が仰った。「『部屋の中の象』を指摘すると、皆から嫌われる。そんなことが何回もあった」と。

部屋の中の象(an elephant in the room)」とは、その場にいる人たちは実は皆気付いているけれど、あえてそれには触れないようにしてるタブーな話題だったり、重要な課題を指すことわざです。この言葉を初めて知ったのはベストセラー「1兆ドルのコーチ」を読んだ時のこと。

その本の中にこうあります。「最大の問題はいわゆる『部屋の中のゾウ』 それを探して、部屋のど真ん中に引っ張り出して真っ先にタックルせよ。これは先送りしてきた課題もそう。政治的に触れてはならない課題もそう。」

リーダーとはそういう存在でなければならないと、つくづく思い感動したものです。

 

忘れたいこと、先送りしたいこと、頬被りしたいことなどを思い出させる人を嫌う人をどう思いますか? 私はそれを再び思い出したら、「僕の時代に片をつける」と決意するのがリーダーだと思います。もちろん些末なテーマであれば優先順位は低く、先送りの対象になりますが、「象」はそうではありませんね。重要だと分かっているけど、面倒だとか、解決しても注目されないとか、解決するには嫌われ者にならざるを得ないとか、個人的な避けたい理由が透けて見えますね。そこがダメなのです。清廉ではないですよね。利己的な利害という価値観が常に幅を利かせている。そんな人と一緒に仕事はしたくないものです。

 

さて、あなたは象を指摘する人を尊敬できますか? そこがあなたの器でもあるわけです。考えてみてください。こういう人がいないと会社は腐りますよ。

 

今回報道されている三菱電機の不正なども、皆象がいることが分かっていながら、指摘できなかったのだろうな、と想像します。とても悲しい事案ですね。

全員見えてるはずですよね