爽やかに泣く

去年から始めた仕事があります。コーチ仲間(シニアな男女)と共に、ある企業の女性管理職たちに対して行っている幹部育成プログラムです。そのプログラムの一環として行ったワークショップの最終回でのこと。

僕たちコーチ仲間は目を潤ませたのです。私も司会進行役ながら声を詰まらせてしまいました。彼女たちクライアントは順番で今まで感じたことや今後についてプレゼンをしてくれた時の話です。8か月は、自分と向き合い、何がバイアスだったのかに気付き、自分なりのリーダーシップ像を見つけるプロセスだった。その結果、霧が晴れ目の前がクリアになり、自信をもって前向きにチャレンジする覚悟ができたと。私たちはその瞬間に立ち会えたことを心から喜んだ。

 

例えば、リーダーとは強くて「俺についてこい!」というような引っ張るキャラクターでなければならないのだと思い込んでいたが、そうでないことを知った。今までは、私にはとてもそんなことはできないと思い込んでいた。リーダーシップにはいろいろなタイプがあり、私なりのスタイルを貫けばいいのだと理解できたことで、私にもできると気付いた瞬間。彼女は泣いていた。重たくて強固な甲冑をまとい戦場に向かうことなど必要ない。私には私のやり方がある。甲冑を脱ぎ捨てた瞬間の、晴れ晴れとした自信が僕には見えた。全員が声を震わせ、新たな扉を開けた瞬間を味わっていた。

彼女たちに比べはるかに齢を重ねいろいろな経験をしてきたはずの僕らも、そろって感動し、嬉し涙を浮かべた。

彼女たちは皆新しいリーダーとして羽ばたいていくだろう。いつまでも応援し続けたいと心から思う。

こんな仕事をして本当に良かった。清々しい気持ちにさせてくれた彼女たちに感謝したい。

 

女性活躍の推進に目覚めた企業は多い。いかに優秀な女性であっても、機会を逃してしまうケースがある。その一つが上記のようなバイアスだろう。私には無理と感じてしまう。ステレオタイプなリーダー像。上司の刷り込み。ハードワークへの美意識などのカルチャー。評価者の曇った目。皆バイアスが原因だろう。それは乗り越えられるのだ。

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春が来る。あなたにも。