ウェルビーイングをもう一度深堀ってみる

皆さん暑い夏、いかがお過ごしですか? 今日は少し整理をしてみたいと思います。

 

僕は今まで時々ウェルビーイングのことを書いてきました。とても大切な概念で、僕たちがどのように人生を送るかに大きな影響を与えると思っているからです。

 

少し前に行われた慶応大学の前野教授(幸福学)の講演を少し引用して、整理してみたい。言うまでもなく、Well BeingとはWell=良く Be=在る ということですから、良好な状態を示すわけです。「幸せ」より広い概念なわけですね。

シンプルに「幸せ」を想像すると、「欲」にリンクする「比較できるポジショニング的な優越感に繋がるもの」が思い浮かびますよね。それを彼は「地位財」型の「幸せ」と言っています。他人と比べられる「財」、即ち金やモノや社会的地位などです。それを有することで、「金銭欲」や「物欲」「名誉欲」を満たし「幸せ」を感じるというものですね。これって、普遍的なものでしょうか。例えば僕などはぼぼなくなりました。欲しいものがなくて困るという境地に入っています(笑)(涙) そう、嗜好は変わるし、満たされたと感じた一瞬を過ぎると虚しくなったりもするし、「足るを知る」という価値観にいつかは到達するのではないでしょうか。要するにワンポイントの刹那的な「幸せ」なのでしょう。

それに対して「非地位財」型の「幸せ」とな何なのでしょうか。ここがポイントなのですが、彼はこう言っています。

三つの種類が存在する。一つ目が身体的に良好な状態(Well Being)」で、簡単に言うと肉低的「健康」ですね。二つ目が精神的に良好な状態」で、心の「健康」です。そして、三つめが社会的に良好な状態」で安全安心な環境にいられるかなどでしょう。私はそう理解しました。

二つ目と三つ目を少し深堀ます。「精神的に良好な状態」ですが、これは彼がいつも言っていることですが幸せには4つの因子があるというものです。これがないとWell Beingであり得ないという重要な視点です。少し僕の解釈を込めて書きますね。自己実現とそれに伴う成長です。ここで大切なことは「やってみよう因子」です。自分の強みや主体性を活かして、自由に新しいチャレンジをすることですね。ここに上司の問題や企業カルチャーの問題が大きくかかわるわけです。Amazon「2Waydoor」の話は前に紹介しましたよね。そして、野中郁次郎名誉教授の「三つの過剰」が日本をダメにした話もしましたよね。これが分かっていないと従業員のWell Beingは実現できないのです。とても重要なことなので心から理解してほしいものです。これも前に書いたギャラップ社のQ12とも同じ話ですよ。皆話はリンクしています。それらをメタ認知することによって僕たちの行動は変えられます。もっともっとWell Beingな職場を作れるのです。それほど難しい話ではありませんよ。

続いて②「つながりと感謝」です。彼は「ありがとう因子」と表現しています。人は他者と繋がらないとWell Beingを感じません。そのためには「多様性」を楽しいと感じる寛容性や、利他心が必要不可欠です。変化の激しい現在、イノベーションこそがそれを乗り切り楽しく仕事をする源泉です。しかし、境界を作ってしまってそこから出しようとしないムラ社会組織が跋扈していますよね。それではイノベーションは実現できません。対人的な交わりには信頼関係が必要不可欠です。境界を越えてコラボレーションを起こす「コレボレーション・リーダーシップ」がこれからの時代の最も重要なリーダーシップだと以前に書きましたよね。認め合う力は「女性性」と言ってもいいでしょう。リーダーには女性性が必要不可欠です。これも書きましたよね。

そして③「前向きと楽観」です。彼は「なんとかなる因子」と言っています。私は「自己効力」だと思っています。全力でチャレンジすれば何とかなる、と思って進むことがどれだけ楽しいことか。それを体現できるチームでありたいですよね。これは、①の「やってみよう因子」と同根ですね。

最後が④「独立と自分らしさ」です。「ありのまま因子」と表現していますね。意志をもって自分らしくいることは即ち「自立」だと思います。そして、リーダーがコミットしなければならないことが職場の心理的安全性」です。「1兆ドルのコーチ」にこう書かれています。心理的安全性とは、ありのままでいることに心地よさを感じられるような風土のこと」です。いろいろな表現がありますが、僕はこれが一番腹落ちします。「心理的安全性」に責任を持つのはリーダーの使命です。特に在宅オンラインワークが増えた現在最も注意を払わなければならないことがここですね。この点もリーダーの女性性に深くかかわることです。

さて、なぜ「非地位財型の幸せ」が大切なのでしょうか。それは「地位財型」と違い長続きするからです。刹那的ではないのです。そしてそれは伝染します。自分だけ幸せということではなく、チームの公共善に繋がり、「ヘルプシーキング」(これも書きましたね)が日常的に起こり、心理的安全性」が定着し、共感の嵐が起こり、前向きに全力で仕事をすることが楽しくなるのです。

 

今回は復習的にまとめてみました。こう書いてみると分かるでしょ。決して難しいことではないのですよ。「やればできる!!」のです。しかし、それができない人が多すぎる。Heaven’s Kitchenの読者の皆さんはできますよね(笑)

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夕闇迫る街は黄色。街で働く人々は皆笑顔。そうこなくっちゃね(^^♪
キッザニアにて