アメリカのOpenAIが12/20まで12日間毎日新しいAIや利用プランを日替わりで発表し続けた。これは正に怒涛の勢いだ。僕たちの住むこの世界はこんな勢いで変わり続けているのだ。この実感を持たないとビジネス実世界で生き残っていけないのだろうと痛感する。
そんな流れの中で、「AI時代の人材とは」という定義をちゃんとしているHR(人事部門)はどれくらいいるのだろうか?
先日「生成AIは私たちのビジネスや生活を変えている」という記事を書きましたが、大きな課題は、実際に仕事がどのように変わるのかを実感として知ることだ。それには世間でどのような先行事例があるのかを知り、現場がどんどん試行し知見を溜めなければならない。そしてごく近い将来はこうなるよねと先見性のある目で洞察することだ。その現場の洞察をHRが理解し、ということは人財育成はどうあるべきなのか、どんな人財を採用すべきなのかを考え抜くことが必要不可欠になるはずだ。従来のホワイトカラーのイメージとは全然違う人材像が浮き上がってくるはずだ。
12/18にIGPIグループ会長の冨山さんと早稲田大学入山教授の対談を聴いたのですが、とても示唆に溢れたいた。そこから想像できる私のイメージを書いてみるとこうなる。生成AIなどの進歩で、意思決定者(事業部長や部長クラス)は現場からの大量のレポートや飛び交うメールを生成AIにすべて読ませ、概要とリスクをAIが報告するでしょう。そうしてセンシングした情報をベースに判断、指示、対話、コーチング、自らの行動(顧客に交渉に行くとか、リソースを増やすとか、リーダーを変えるとか)を決めることができようになる。即ち一人で今までより格段に多い量の仕事をこなせるわけだ。それはあたかも意思決定者のアバターがたくさんいるように機能し、それらの状況を把握し何を報告するかを判断し報告するいわゆる中間管理職が不要になるわけだ。さらに、その中間管理職は自分の利害で報告することと目をつぶることを選別していたりするので、そのことによって起きる齟齬やリスクもなくなる。即ち仕事の精度と生産性が相当上がることは間違いないと推察できる。
これは私の妄想だが、間違いないことは、もうそれに近いことはできるし、この通りのことは間もなく実現するということだ。これはたった一つの事例であって、仕事自体が大胆にかつダイナミックに変わり続けるのだ。
想像してみてください。そうだとするなら、採用基準も変わるだろうし、採用後の人材育成の方向も変わるはずだ。ホワイトカラーの仕事が変わるのだから、今までの価値観が通じないし、また、新しいリーダーを受け入れる側の企業カルチャーも変えていかなければならないのだ。変えないと上手く噛み合わないからです。
HRは経営戦略だとずっと言ってきだが、今まさに真剣に変革を考えるべきタイミングだと痛感する。真剣に向き合うことをお勧めします。
入山さんが、こんなことを言っては怒られるでしょうが・・・という前置きの後に言った意見が時代の変化を伝える。「これからは、私立文系は要らないと思う」(そんなことはないと思うが)
また、お二人ともこう言っていた。「生成AIを使うことによって、本を書く時間が1/3位になった」と。正に時代は変わったんだね。