険しい道

2023年がスタートしました。皆さんにとって輝かしい一年になることを祈っています。皆さんが辿る道は「変革リーダーへの道」だと思います。今年の初回はその道について少し書きたいと思います。

変革リーダーへの道を少し整理しましょう。成長への道、即ちトランジション(遷移)を想像してみましょう。ステレオタイプに左下から右上に向かう真っ直ぐな道を想像する人が多いかもしれませんね。道は階段をスムーズに登るなんて人は少ないはずですよね。脇道に逸れたり、一旦下ったり、休んだりですよね。もちろんそれでいいのですが、その道には成長の段階があります。

新卒でビジネスマンの端くれとして歩み始めたころは、何をしますか? そうですよね。上司や先輩からの指示に従って一生懸命「熟す(こなす)」のが第一段階です。熟すことに慣れ十分なアウトプットを出せるようになったら、部下を使う段階に来ますね。そうです、マネージする段階です。言い換えると「捌く(さばく)」第二段階です。マネージャー(マネジメントする立場の人)の仕事って何でしょうか。組織があれば必ずマネージャーが存在します。即ち組織とそれを回す仕組み(システム)に係わる人ですね。組織があればルールがあり、また状況によってはそのルールを変えたり加えたりする必要もあります。既存の組織の中では日々課題が発生し、それを解決しなければなりません。即ちマネージャーが行うべきことは、Planning and Budgeting 、そしてOrganizing and Staffing 、さらにControlling and Solving です (Kotter氏とSimious氏を参考に)。即ち、短期的な計画と予算を立て、組織を考え人員配置をし、予実を管理し問題に対処するわけです。即ち、組織を回すために必要なことちゃんとやるということなんです。

さて、それではこれから立ち向かわなければならない市場の変化に立ち向かう変革リーダーとは程遠いわけですね。さて、ここで理解しなければならないのはマネジメントとリーダーシップの違いです。マネージャーは組織を回すと書きましたが、リーダーは人を変革に導くのが役割なのです。そもそもリーダーとは変革するために存在しているのです。変革リーダーなどと表現する必要はないわけですね。上記と同様にリーダーが行うべきことを書きますと、Setting a Direction、そしてAligning People 、さらにMotivating People となります。即ち、長期的な方向(ビジョン)を指し示し、関係者の利害を調整し(センスメイクさせる)、関係者の意欲を高めるのです。マネージャーとは全然違いますよね。関係者が率先して将来に向けて変革を進めるように導いていく能力を示しているように見えますね。皆が腹落ちする正しいことを行うわけです。皆が納得するためには、人望や人格が重要になりますね。

「熟す」「捌く」と来て、次は正に「変革する」なわけです。即ちマネージャーから真の変革リーダーへの脱皮です。脱皮と書きましたが、イメージは開眼の方が近いかもしれません。

マネージャーとリーダーは大分違うわけですが、日本の組織の中ではほとんどの場合、両方の行動を求められます。ある時はマネージャーとして、ある時はリーダーとしての行動を求められるのです。しかし、現実にはどちらかしかできない人が多いと感じます。もちろん、どちらも中途半端な人も多いですが(涙)

まずは、自覚が大切です。上司や部下などからフィードバックをもらってください。いろいろなアセスメントもいいでしょう。自分の普段の行動はどうなのか、何が欠けているのかを知りましょう。そしてどう在りたいのか自分と向き合って考えることです。

道は常に開いています。どのような道を歩むのかはあなた次第です。

道は険しいかもしれない。ルートも様々だし、先人のアドバイスもある。
あとはあなたの覚悟と冷静な判断力と少しの勇気があればいい。
@アルプス