加齢とWisdom

あと数日で今年も終わる。あ~ また一年が終わる。そうして歳を取っていく。それはとっても寂しいものです。

(よわい)を重ねるとは何だろうか。医学的に衰えることだろうか。それとも、経験を積むこと? 能力が衰えること? 意欲がなくなっていくこと? 進歩を諦めること? それとも見た目?・・・

もちろん、制度運用的(年金や医療費など)に年齢で区別(後期高齢者とか)していることは理解できるが、その区別より個人個人の差の方がはるかに大きい。

一人の人としての成長・進化とはどのようなものなのだろうか。生き続ければ、多様な経験を積むプロセスを歩んでいく。多くの人は自ら学び続ける。率先して学ぶか、義務的に学ぶか、たまたま何かに出会い新しい何かを吸収するかは別として、学びは続く。ただし、それは人によって大きな差があるでしょう。目の前の事象から何も得ない人もいれば、それをきっかけに何かに気付き、知の探索に進む人もいる。学ぶ機会や手段は無限にあるのが現在。コストをかけずに学ぶ手段もたくさんある。能動的に積極的に学ぶ人と、全く機会や手段を利用しようとしない人もいる。正に真っ二つ。

ちょっと想像してみよう。創造力・クリエイティビティは衰えるのだろうか。恐らく加齢とはほぼ関係ないのではないだろうか。精神の開放性は実年齢と関係ないという研究(性格5因子モデル)もある。もちろん、認知症などの症状が出てしまえば、様相は変わるでしょうが・・・ 30代で枯れてしまうアーティストもいるし90歳になっても作品を出し続ける人もいる。

Knowledge即ち、知識・学識は経験や時間がプラスに働くでしょう。ナレッジと同様に必要不可欠なWisdom即ち、英知・知恵・賢明さも同様に磨かれていく可能性が強いでしょう。マイナスに働いていくものは何なのであろうか。もちろん、体力など生物学的な能力は一番分かりやすい。血がたぎるようなエネルギーや喧嘩っ早さなどもそうかもしれない。欲、渇望感などもそうかもしれない。

多様な経験を積むことによるマイナスを想像しよう。多くの人は、経験による刷り込みから逃れられない。即ち、歳と共にバイアスに犯される可能性は高まるかもしれない。特に、成功体験は悪さをする可能性がある。成功体験は環境の変化を気付きにくくさせる可能性も高い。

加齢に抗うポイントの一つは、客観性を保つこと、謙虚さを忘れないこと、利他心を磨くこと、共感力を磨くこと、ビビッドさを保つこと、情報の渦の中にいること、アウトプット量を減らさないこと、などではないだろうか。それを続ければ、バイアスに染まることも少なくなるだろう。

こう書いているうちに気付いた。これはコーチがサステナブルにクライアントに向き合い続けることに必要な要素ではないか。いやいや、上司と部下、多くのステークホルダー達との間などでも、これらがあれば、豊かな関係が築けるでしょう。

まだまだ努力が足りないなぁ。引退はまだ早いかな。

 

KnowledgeやWisdomはアウトプットし続けないと、忘れていく。残念ながらそれは加速化すると思われる。アウトプットの大切さは以前に書いた通りで、それが大切なのはこの文脈からも気付く。経験を積むメリットのもう一つは、深い経験によって興味深い物語(ナラティブ)(≒ストーリーテリング)を紡ぎ出すことができることだろう。そして直観もそう。経験が増えると脳にデータが溜まっていく。そうすると、ピンとくる可能性が高くなると考えらえる。実は、海外の企業では、幹部にストーリーテリングの研修を受けさせているところが多いらしい。KnowledgeやWisdomだけあったって意味はなく、それを伝えられ、それにより他者の行動変容を促すことができて初めて価値がある。そのためにはナラティブを紡ぎ出すスキルが必要不可欠なのだ。これが研修で体得できるのであれば、リーダーはもれなく学ぶべきなのではないだろうか。

しかし、どんな研修なんだろう。興味津々。どなたかご存じだったら共有してください。

 

加齢に抗い、その特長を惜しまずに利用し、遠慮なくアウトプットする。それが年長者の生きる道なのではないだろうか。

 

これが今年最後の投稿になると思います。

一年間読んでいただきありがとうございました。感謝いたします。

来年もできる限り発信し続けたいと思います。

良いお年をお迎えください (^^♪

一日も早くウクライナ戦争が終わりますように。

一日も早くコロナ禍が終息しますように。

 

アウトプットしてなんぼでしょう @スイス