ヘルプシーキング

困ったときに、まわりの人たちに助けを求められますか? 日本人は責任感が強くて、安易に弱音を吐くことを嫌いますよね。そう教育されてきた感じもしますね。「弱音を吐くな!」って。だから、一人で悩んだり、抱え込んだり、いちからトライ&エラーを繰り返し、非効率な作業をしたりしますよね。

そんな時に、もっと気軽に周囲の人に助けを求められればいいのにと思いますよね。そのように援助要請をすることを「ヘルプシーキング」と言います。僕はその言葉を知りませんでした。ワンオペで育児をする女性が、周りに遠慮なく助けを求めることがいかに大切かなどという議論があり、女性の方が「ヘルプシーキング」という言葉をご存じかもしれません。

「ヘルプシーキング」は甘えでしょうか? 一人で悩んで非効率な日々を送ることは精神衛生上も大きなマイナスですよね。そして、ビジネスで考えるなら、とても効率の悪いことです。

 

「チーム」という言葉があります。チームとは何でしょうか。同じ目的に向かって人々が集います。集うだけではチームと言いません。一人一人の能力や成果の総和は単純な足し算でしかありません。しかし、多様な人が集まり、お互い補い合い、協力し合い、アイデアを出し合い、イノベーションを起こして仕事を行えば、人数以上の能力を発揮し成果は倍増するでしょう。そういう集まりを「チーム」と呼ぶのです。前者はただの「集団」ですね。

さて、「チーム」に存在すべきものが「ヘルプシーキング」だと思いませんか? 困ったときに「ヘルプシーキング」ができ、メンバーが助けてくれる、上手いやり方を教えてくれる、自分の作った資料を提供してくれる、誰に聞けばいいのか教えてくれる、何を読めばわかるか教えてくれる、自分の作ったプログラムコードを提供してくれる・・・。そんなことが自然に、皆喜んでやってくれる人たちが「チーム」だと思いませんか? 

そんなチームを作るのがリーダーの使命ですね。必要なのは心理的安全性」そして「称賛」「利他心」。助け合うことが喜びだと感じること。それは正に組織カルチャーです。そんなカルチャーを作るコツの一つが「雑談」です。日常の雑談を通して自分を晒して、着込んだ鎧を脱ぎ捨てておくことです。そうして心のハードルを下げておくことです。

 

更に「適切に助けを求める」ためには「適切」なアプローチがあるようです。沢渡さん(あまねキャリアCEO)はこう言います。何にどう困っているのかを適切に説明することだと。また、小田木さん(NOKIOO取締役)はこう言います。ぎりぎりまで抱え込んで、「やばい状況」になって「助けてください」というのか、リスクを適切に読んで早い段階で助けを求めるのかでチームの負担が全然違うと。これも、「あるある」ですよね。「早く言ってよ!!」よく聞いたセリフでしょ。要するに適切なタイミングで適切な説明で助けを求めるスキルが求められるのです。

 

皆さんのチームは「助け合えるチーム」ですか? そして、「適切なヘルプシーキング」ができていますか? そのカルチャーを創るためにリーダーは努力していますか?

これができるかできないかで生産性は全然違いますよ。そしてマインド面即ちウェルビーイングも全然違いますよ。結局それは競争力の高い企業を創っていくのです。

 

PS. ヘルプシーキングは実は家庭内の方が難しいと考える人が多い。パートナーに対して遠慮をする関係なら、まずそれを乗り越えましょうね。

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線路や道路は東西南北どちらの方向に向いているのか、案外分かりにくい。
地図もない太陽も出ていない時は特に。
僕らの人生も同じ。