バーン・アウト

NHK朝ドラ「おかえりもね」をご覧になっていただろうか。東日本大震災に際し、何もできなかった自分を責め、皆何かを傷を抱えている。何のために生きているのか、自分は何ができるのか、これでいいのか、何もできない、もうやめたい、閉じこもる心、本音を言えず孤独・・・などの感情が渦巻いている。そんな朝ドラも終わってしまった。暗くて観るのが辛かったが、終わってみると何だか寂しい。

 

そう、一瞬の幸せは感じても、底流に流れる感情はいつも何かに引っかかっている。そんな人は多い。ウェルビーイングってなんだろう? トレンドワードになった「手取り13万円」 食べるだけでいっぱいいっぱい。趣味も娯楽も身だしなみにすらかけるお金がない。ライフワークと言えるようなやりがいのある仕事ならいいが、嫌いな仕事をライスワークにして、それで「手取り13万円」ではウェルビーイングと言われても遠い世界なのかもしれない。

 

星の巡りあわせで負のスパイラルから這い上がれない人はたくさんいる。騙されたり逃げられたり、病に倒れたり、事件に巻き込まれる人もたくさんいる。身近な人の負債を引き受けざるを得ない人もいる。そんな運命的な巡りあわせですら、努力不足だと一刀両断する不遜な大人もいる。コロナ禍が状況を悪化させたのは事実だろう。だから一律の給付金だ、ベーシックインカムだ、などという社会主義な思考が拡がる。富の差による分断を減らすアプローチは先進国の一つの大きな潮流になってきた。しかし、バラマキしか芸のない政治を応援するつもりはない。不自由のない人に給付する必要は全くない。それらの人々にニーズなどないのだ。特定の層だけにピンポイントにタイムリーに給付するのが政治でしょ。しかし、そう主張する政党はいない。皆無策だ。本当に情けない。国民がそう要求しないからだ。

 

一方で「燃え尽き症候群バーンアウト」。仕事などに打ち込んできた人が、ある日燃え尽きたかのように情熱ややる気を失ってしまう。仕事に打ち込み過ぎてきた人が疲れ切ってしまうケースも多いだろう。このコロナ禍において、上記のような負のスパイラルにある人が、貯金もなく介護も抱え、日銭を必死に稼ぐ毎日に出口は全く見えず、ある日燃え尽きてしまう。そんなケースもあるだろう。

 

身近にもそんなリスクのある人がいるのではないですか。気付かないだけかもしれない。金銭的な問題を抱えていなくても、バーンアウトすれすれの人もいるでしょう。コロナ禍の孤立・孤独バーンアウトに引きづりこんでいるケースも多いでしょう。そういう人がいたら、または「もしかしたら」とよぎったら、寄り添いましょう、話をしましょう、仕事から離れた世界を共有しましょう。「もしや自分も」と感じたら、友人や同僚にアクセスしましょう。オープンに相談しましょう。必ず手を差し伸べてくれるはずだ。

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自分と向き合うことも大切だが、たまには人に頼ったらどうだろうか。