新しいチャレンジ

私たちは、自分のことを良く知っていると思いますよね。当然です。自分なんですから。しかし、自分が知っている自分と、私以外の他者から見えている自分(わたし)にはきっとギャップがあるはずです。そして、それは具体的にどのように違うのかを理解していませんし、しようともしていません。


例えば、仕事をしている時を考えると、私たちは多くのステークホルダーと共に仕事をしています。部下や上司、ある目的のために組成されたチーム、顧客、ビジネスパートナー、取締役会などなどの人たちが自分のことをどういうパーソナリティーの人と思っているのかによって、ビジネスの成果やチームワークに影響が出ます。

 

そして、もしそれを知ることができれば、日々のアプローチも変わってきます。やりたいこと、ありたい姿を思い描き、それに向かって進むのであれば、それにプラスとなるパーソナリティーと、その逆にマイナスになる可能性のあるキャラクターがありますよね。ビジネスシーンで自分のパーソナリティーの何かが、他者から見てマイナスになる要素があるのだとするならば、そのマイナスが出ないように行動を変えることができます。

 

人間は本性は簡単には変えられないとしても、行動は変えられます。他者がどう感じているか、自分の価値観や行動を突き動かすドライバーがどのようなものか、それらがマイナスの影響を出してしまう可能性があるなら、それが出ないように行動を変えればよいわけです。

 

実は、私はある友人からあるアセスメントの存在を教えていただき、それが私が仕事としているコーチングや人材育成にとても有効だと考え、そのアセスメントの認定コーチの資格を取ることにチャレンジしています。アセスメントコーチとは、詳細のアセスメント結果を読み解き、本人にフィードバックし本人の気づきを促します。また、上司などと共有することで本人の人材育成をより丁寧にオーダーメイドに行うことを促します。また、コーチやメンターがいる場合にはそのコーチングやアドバイスにアセスメント結果を反映することができます。即ち、本人のパーソナリティーの光の当たっている部分も当たっていない部分も併せて理解した上で、コミュニケーションできるわけです。コーチングや人材育成の適切性というか寄り添い方をよりインクルーシブにするというか、より手厚いアプローチができると思ったのです。

 

認定研修の冒頭に、私自身がアセスメントを受けました。結果はびっくりです。私が感じている自分のパーソナリティーを見事に表している結果が出ました。それどころか、エッジが効いたというか、思っている以上に明確に表されていました。もちろん違和感もあります。先ほど書いた通り、自分が知っている自分と他者から見た自分は違う人がほとんどでしょう。そして、アセスメントは膨大な被検者のデータ分析が蓄積されて精度が高いと言っても、回答している本人のその時の気分の持ちようによって誤差もあるだろうし、100%丸裸になって応えることは難しいでしょう。また、自分のことをこう思いたいという長年の一種のバイアスから逃れられないこともあるでしょう。しかし、かなりの確率でアセスメント結果が私のパーソナリティーを表わしていると、確信しました。

 

コーチングやメンタリング、上司の日常のコミュニケーションもそうですが、インクルーシブであることがとても重要です。いろいろな言い方はあるでしょうが、理解して包み込む感じ、寄り添っている感じ、愛情に近いものという感じとも言えます。しかし、私はそれだけでは本人はホッとし安寧を得られるだけで、そこに前に進む進歩、プログレスの喜びがなければ意味がないと思うのです。1年前より今、昨日より今日、今日より明日というプログレスが。インクルーシブであることに必要なのがパーソナリティーをより深く理解しようとする気持ちでないでしょうか。

 

いまあるクライアントにそのアセスメントを受けていただき(フィードバックはベテランの認定コーチにしていただいた)、その結果を共有してメンタリングを開始するところです。私も近い将来その認定をとり、自らがアセスメントコーチとして、更に深くクライアントに貢献できるようになりたいと考えています。

 

人に関わる仕事をしていると、私のコミットメントは何なのかと自問します。コーチングも人材育成も成果は明確ではありません。医者や弁護士のように、完治させること勝訴することを契約できません。しかし、私はクライアントの行動を変えられなければ意味がない職業だと思い、常にクライアントには「私はあなたの行動を変えることをコミットします」と話しています。もちろん、残念ながら頑として心が拒否姿勢の人も中にはいらっしゃいます。いわゆる「コーチャブル」でない人です。そうであっても、手を変え品を変えコーチングするのが仕事です。人に関わる仕事は深くてエンドレスです。だからこそ、常に自分を磨き続けたい。だから、こうして書いていることで自分を鼓舞し、自分のパーパスを腹落ちさせているのです。

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自分の中には必ずブライトサイドとダークサイドがある