クリエイティビティ

今日は創造力、即ちクリエイティビティの話をしたい。

世界経済フォーラムが2020年に発行したレポートの中に「第4次産業革命で活躍するために必要な10のスキル」がある。そこで「クリエイティビティ」が3位になっている。ちなみに、1位は「複雑な問題解決力」、以下2位「批判的思考」4位「マネジメント能力」5位「他者との調整力」6位「感情的知性」7位「決断力」8位「サービス設計力」9位「交渉力」10位「認識の柔軟性」となっている。変化の激しい時代で何が必要かを端的に表わしているように感じる。

クリエイティブな発想のために重要なことは、ものごとの本質を見ることだ。人の行動に向き合い、欲求の原点に行きつくと言ってもいいかもしれない。事業開発のシーンだけでなく、経営の現場でも、マーケティングのプロセスでも、R&Dの日常でも、あらゆるビジネスの中に「デザインシンキング」の考え方が必要不可欠になっているのもその現れ。デザインシンキングはもはや創造的に問題を解決するための当たり前の考え方なのだ。

クリエイティブでいることとD&Iは深く結びついている。人間はチームがなければ孤独で、チームに多様な考えが存在し皆がインクルーシブでないと、イノベーションは起きない。心が通ったオープンなコミュニケーションがなければ、チーム内でアイデア化学反応が起きない。個人個人の人生観や仕事観、宗教観、経験、センス、スタイル、美意識・・・あらゆるものが違うから視野が広がる。一人の力で、「広く見る、深く見る、先を見る」のはなかなか難しい。一人の力で世界を観察することはできない。排他的な価値観では実現できないのがクリエイティビティなのだ。いかに、知識も知性も教養も持ち合わせていようが、一人では創り出すことはできないと思う。

デザインシンキングを理解していないリーダーは、存在できなくなるだろう。今までの延長線上に未来は見えないのだ。そして、クリエイティビティの欠如は、チームにとって致命的だ。開放性に富んだチームをつくり、混ざりあう混沌を楽しみ、化学反応を称賛し、不確実性の高い状況の前で、ブレーキをかけることなく自由なチャレンジを楽しむ。そんなリーダーでなければ、将来は創り出せない。

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春が来た