経営は進化する芸術 ~ 開放性が鍵?

一気に寒くなった。やっぱり、コロナ対策は「Stay home」に立ち戻らざるを得ない状況だ。それしかないのは分かっているのに、躊躇すればするほど、安心して暮らせる状況は遠のくばかり。残念でならない。

 

産業構造はどんどん変わっていく。2016年東芝白物家電事業(東芝ライフスタイル)を中国の美的集団に売却した。株式の80.1%を約540億円。12/12に日立は海外の家電事業の持ち分の60%をトルコのアルチェリクに約310億円で売却すると決めた。それに対照的な話が、先日発表されたセールスフォースによるスラックの買収だ。なんと2兆9千億円! 二桁違う! これは実に象徴的な事実だ。一昔前の産業の象徴、家庭の近代化、幸せの象徴であった家電の事業価値が薄れ、SNSなどのコミュニケーションツールなどテックベンチャー企業価値が爆発的に大きくなっている。なんだか、とても寂しい。その傾向は日本の衰退と重なる。ディスプレイ、メモリ、PC、携帯・・・ 皆そうだった。今や日本の製造業の輸出を支えているのは自動車のみ。それもほぼトヨタに頼る。電動化が急激に進むマーケット。HVすら排斥される流れの中で、これからどうなっていくのだろうか。トヨタの進める全個体電池だけは中国に負けてほしくないものだ。前回も書きましたが、不確実性から逃げていたら変化に置いてきぼりになるのは間違いない。

 

経営は進化する芸術だと、ワーク・クオーツ編集者ヘザー・ランディー氏は語る。時代の変化やニーズや規範に対応に対応し続けなければならない。同時に戦略の一部は決してスタイルから外れてはならない、と。

 

経営とは何なのか? 思いつくことを書いてみる。

精神性の高いもの

スキルやノウハウだけでは語れない

センスであったり、清廉さであったり、共感であったり

一橋大学の楠木教授も究極的に経営はセンスだという

スキルと共感は、合理と情理の関係とも似ている

IGPI元CEOの冨山さんは、その両方を持たなければ経営はできないという

一種の宗教観が漂う経営者も多い

誰かのために、社会のためにと考え続ける。自らのパーパスを考え抜くとそこに行きつくのかも。

スタイル、センス、想い

だからこそ「リベラルアーツ」が重要と言われる

 

性格スキルという言葉がある。それは昔から多くの研究者によって研究されてきた。性格には、①開放性 ②真面目さ ③外向性 ④協調性 ⑤精神的安定性 の5つがある。イリノイ大学ロバート教授の研究では、開放性を除いて性格スキルは70歳程度までは伸ばせることが分かっている。開放性だけは20歳までは上昇し、60歳まではほぼ変わらずその後下がっていくとのことだ。開放性とは、新たな美的、文化的、知的な経験に開放的な傾向を示す。好奇心、想像力、審美眼、幅広い興味などに現れる。新しいものに触れ、それを取り入れ、変わっていこうする積極性とリンクしているのだろう。最近、経営者には芸術や音楽のセンスが必須だとよく言われている。「リベラルアーツ」の重要性が語られるのも同様だ。

また、仕事の成果は、②真面目さ、③外向性、⑤精神安定性、④協調性 の順で関係性が高いともいわれる。そして、止めに来るのが①開放性なのだ。実はこれが経営者として大成するかどうかに大いに影響していると思えてならない。もちろん、他のものが優れているという前提だが・・・w

f:id:taka-seed:20201213144841j:plain

開放してあげて! 違うかw