清廉さ

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涼しくなり、急激にジョギングやウォーキングを楽しむ人が増えてきた。早朝のそれは実に気持ちがいい。もっと晴れる日が多いといいのにな。

トランプ大統領が過去20年の大半の年において連邦税を支払っていないという。ニューヨークタイムズはその事実を18項目にわたって分析した記事を掲載した。その要点をNPが解説している。その中のいくつかを紹介したい。恐ろしい話ですよ。

1. 税金逃れのポイントは多額の還付金が原因

トランプが納めた税金は18年間合計で約9500万ドルになる一方で、2010年以降7290万ドルの還付金を申請し、それを受け取っている。収めた税金のほとんどを取り戻しているのだ。どういうこと?

2. その還付金の不透明さにより国税と対峙

トランプはアトランティックシティのカジノに対する投資によって多額の損失を被ったことを、理由にしている。国税サイドは不透明だと2011年から調査を続けている。10年近くたっても未解決のままだ。これは全く理解できない。国税の力不足か、ほかの力が働いているのかなど、憶測したくもなる。日本の国税だったらそうさせないだろうな、なんて思う。

3. 個人的な支出を事業の経費として処理している

私も個人事業主で、経理処理はすべて自分で行っているのだけれど、よく言われるように、個人的な会食等の領収書を残して経費として処理するなどということは、まったくしていない。そんな少額を計上しても節税なんて誤差のようなものだし、そもそも良心がそうさせない。トランプはどうやら違うようだ。自身のヘアカット代7万ドルはもとより、娘のイバンカのヘアメイクアーティストに支払った10万ドルも経費扱い。その金額にも驚くが… 金の使い方間違えてないかい? Forbes Japanによると、人気の民主党女性議員オカシオ・コルテスさんは「自身が昨年、誕生日に美容院などで250ドルを使ったことで共和党の議員たちから憎悪を込めた発言や辛辣なコメントを浴びせられたことを振り返り、次のようにつぶやいている。『彼らのアイドルがヘアスタイリングのために7万ドルを使ったことは批判しないわけ? ああ、彼らは腰の抜けた女性嫌いの偽善者だものね、しないわよね?』」これには共和党議員も反発の余地はないはずだ。

3. 固定資産税の減免

96年にベッドフォードに200エーカーの土地を購入して、避暑地として利用し続けている。にもかかわらず、これを事業用の不動産として申告し、2014年から毎年固定資産税から220万ドル減免されている。なんと、2017年に自分が承認した税法は、減免は毎年1万ドルまでと、なっているのに。要するに、金持ちにそんな減免をさせない法律なんでしょ。彼は、それは法律ができる前のことと言い逃れするんでしょうね。

4. 不透明なコンサルティング

トランプは海外も含め多くの不動産プロジェクトに関与しているが、その多くのケースで収益から多額のコンサルティング料を支払っている。2010年以降だけで、その経費が2600万ドルもある。

5. イバンカへの支払いか?

上記のような中に無名のコンサルへの支払いがある。74万7622ドル。同年イバンカは全く同額を受け取ってた記録があるだって。なんででしょうね?? 私には、利益隠し丸出しに見えますが… 半沢直樹だったら許しませんよ~

6. 赤字事業

ゴルフ場経営やホテル経営など不動産関係の事業の多くは、実は赤字だ。それも巨額だ。それら赤字事業のおかげてトランプは税金を払わないでいるのだ。

7. 大統領としての利益

大統領就任後、トランプの事業は利益が拡大する。それは、トランプの経営するホテルやゴルフ場にロビイスト、政治家、外国の政府高官、宗教団体などが多額のお金を落とし始めたのだ。その金額までタイムズ紙は公表している。大統領になりたかったのはお金のため??

8. とはいえ利益はない

事業収入は増加しても、穴埋めできる損失はその一部。自転車操業は続いているようだ。事業家としては実は三流なのね、きっと。「ディールは上手い」って??

9. トランプの財政状況

現在トランプは4億2100万ドルの借金を持っている。そのほとんどは4年以内に返済期限が来る。トランプが大統領選に落ちれば、容赦なく債権者は差し押さえに走るだろう。しかし、再選されたらどうなるんだろうか? 見ものだね。

トランプは、放漫経営による大赤字を手練手管の節税などでしのいできたものの、解決には至らず、財政状況は大ピンチということらしい。これからも錬金術を編み出さざるを得ないのだ。今後何をするのか恐怖を感じるのは僕だけだろうか。何が何でも再選されたいのね。

大金持ち、特に不動産というバブルネタで財を成した人のこと全員を悪く言うつもりは毛頭ないが、株も含めてそれらを転がすことによって収益を得ている人を、尊敬はできないな。

特に、そういう人が政治家、それもトップになってしまうアメリカ人の価値観を理解することは難しそうだ。政治家は清廉であることが大前提。「足るを知る」価値観(自分が持っているものに十分真の豊かさが宿る)が何より大切だと思うのだが。

そして、アメリカの国税当局を応援したい。きれいさっぱり暴いてもらいたい。ちゃんと税金を支払わせてもらいたい。アメリカ国民の多くもそう思っていると思いたい。