クラウドファンディングの絆

先日、私がクラウドファンディングで支援しているチームからZOOMインタビューを受けた。サービスを提供する側と、支援する側との関係を考え、提供側がどうあるべきなのかを少し考えてみた。

クラウドファンディングで事業を立ち上げようとしている人たちは、多くの場合、軽くスピーディーに始めたいという気持ちが強いでしょう。それほど多額の資金が必要なわけではない。スピードが欲しいし、自分たちが事前にコンタクトしてきた“アーリー・アダプター”候補以上に多くの実際の“アーリー・アダプター”にコンタクトしたい、という気持ちだ。即ち、実際使用した上での多くのフィードバックが欲しいのだ。

その声を聞き届け、機能やデザイン、UIやFAQなどなどを改善あるいは作り直して、本格的な展開、即ちスケールさせる準備を万全にするのだ。場合によると、実現不可能と悟り撤退する場合もあるだろう。本格的な投資(製造ラインを強化するなど)をする前に判断できるメリットは大きいはずだ。

従って、提供サイドは積極的に支援者とコンタクトすべきだし、その声に真摯に耳を傾けなければならない。

同時に、提供機能などはスピーディーにかつ何度でもどんどんアップデートしていかなければならない。特にITベースのサービスであれば、スマホアプリやバックエンドのソフトなどをどんどんバージョンアップするのだ。UIなどはいろいろなユースケースで、多様なスキルや経験を持った支援者が使ってみて初めて分かる問題がたくさんあるだろう。それはいわば支援者からのギフトであり、真摯に向き合い、即アップデートすることが支援者との信頼の証になるはずだ。

そういう意味でも、支援者とのコミュニケーションが非常に重要だ。一般ユーザと違い、まだ生煮えの商品/サービスを応援しようという気概があるわけだから、裏事情なども遠慮なく説明すればいい。実はこういう背景・狙いでこの機能になっているのですとか、ユーザはこういう使い方をするだろうという仮説でこの機能にしているとか、このデバイスにはこういう限界/制限があり、それを回避するためにこうしている・・・などを透明にコミュニケーションすべきだ。

その正直なコミュニケーションは、支援者の愛着につながり、チームの一員として、だったらこういうアイデアがあるのではないか、という提案にもつながる。更に、提供サイドは、アップデートの選択肢を支援者に問いかけることもよいコミュニケーションだろう。回避策は案AとBとCがあります。どれがいいですか? というようにだ。

支援者は、ブラックボックスを一番嫌がるだろう。僕たちは支援者なんだ。チームの一員なんだ。会議室の扉は開けるべきだ。ってね。

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いつも遠くを見て歩くようにしている