コーチにできること

現代に生きる聖書」(曽野綾子)に“キリストの弟子パウロの手紙”が紹介されています。

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」

そう、人間の関係すべては自分の行動で決まるのです。決して求めるのではなく、与えることで成長していくのですね。しかし、本当にそうできているのかはなかなか自覚できないものです。そのためには、一人一人が自分を映す“鏡”を持たなければなりません。そして規範とすべきもの即ち“鑑”は自分で考え抜き、書き下さねければなりません。書き下して目の前に置いておかなければ、規範は忘れがちなものです。決意は自分の琴線に触れる言葉にして、忘れないようにしなければなりません。人間は必ず楽な方に向かってしまいます。すべての物質が重力に逆らえないように。

コーチの端くれをやっているといつも思います。想いは行動に宿ると。逆のように感じるかもしれません。行動することによって想いがより強まり定着していく、と思うのです。そして、行動を変えることの難しさを常に感じます。

“鏡”に映る自分を見て何を感じるのだろうか。そもそも“鑑”を持っているのだろうか。

クライアントの行動を変えることが、私の存在価値だと思う。しかし、それは驕りかもしれない。私にできることは、“鏡”を持つこと、即ち自分と向かい合う勇気を与えること、そして、自分の琴線に触れる文章に書き下すことのお手伝いをすることです。

自分で気付き、だからこそ自分の力で行動を変えることができる。私のクライアントが全員そうなることが、私の喜びです。

変革なき人生は、愛のない人生と同じくらい虚しいものです。

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