トランプ次期大統領の「ディール」が過激さを増している。関連するポイントを列挙すると(悲しいことに毎日増えていく)
デンマークに対しグリーンランド売らなければ非常に高い関税を課す、あるいは武力に訴える。
カナダとメキシコに対し、麻薬(フェンタニル)と不法移民の流入を止めなければ高い関税を課す。
特に、カナダに対しては、それができないなら51番目の州になれ。
トルドー首相が辞任したのもトランプ氏との確執も遠因といえる。
中国に対する60%関税増は具体的に中国から報復の話は出ていない。中国は内政(特に経済)問題でそれどころではないのか。
米国大手金融機関6行すべて脱炭素を目指す国際的枠組み(NZBA)から脱退。これは石油増産を推進するトランプ氏との摩擦を避けるためでしょう。
米マクドナルドは多様性確保の目標を廃止。アメリカ国内ではDE&Iの潮流は目に見えてトーンダウン。これもかつて連邦政府の職員に対するDE&I研修を停止させた実績のあるトランプ氏の顔色を伺ったとしか思えない。
その後、メタ、アマゾン・ドット・コムも同様にDE&I推進の施策を廃止または一部廃止を発表しました。これらは保守派から少数派の優遇が白人など多数派を不利にしているという反発があったからだ。今までどれだけ少数派を冷遇してきたかを忘れたような考え方だ。
米メタ(ファイスブック、インスタ)はファクトチェックを米国内で終了。SNSでやりたい放題のトランプ氏とマスク氏の軍門に下ったものだろう。
アマゾン、メタ、マイクロソフト、オープンAI、グーグル、ウーバー・テクノロジーズ、トヨタ、フォード、GMなどがこぞってトランプ氏の就任式に寄付をした。
まるで、北米全体が4年間嵐が過ぎ去るのを大人しく待とうと言っているかのように感じる。少なくとも、逆らっても徳はないと思っているのでしょうね。
また、イーロン・マスク氏の暴論言いたい放題も一線を越えてきた。
言論の自由か内政干渉か 根拠のない情報を拡散させメディアがそれを増幅させる。言論の自由を行使しただけだ、何が悪いと声高に言う。これは最早暴力ではないのか。Xというプラットフォームを所有してしまったマスク氏。トランプ氏もそうだが、親に常識や社会性を教えられなかった悪ガキのように振舞う。言動に一切責任は取らない。そんな人が、金や権限を持ってしまうアメリカ。どんどん無法地帯になっていく。
ディールといえばまだ理解はするが、度を越えた脅しとも言える。その結果トランプ氏や保守層へ迎合する国家や企業家が多数出てきた。まるで宗旨替えの人も多い。上記のように、トランプ氏や保守系の圧力に負けたケースも多い。
やりたい放題。マスク氏も図に乗っている。態度はどんどん暴力化し、権威や経済力を笠に着て上品さのかけらもなく、それに一切の美意識も感じられず醜すぎる。国際秩序は乱れ、環境破壊にブレーキをかける流れは急速に止まっていくだろう。
地球環境対策、LGBTQ、DE&Iなどの国際的枠組みに亀裂が入り始めているのは明らかだ。その震源地は明らかに米国であり、更にいちいち上から目線でディールを仕掛けるトランプ氏に対し不信を抱くと共に、親米でよいのであろうかという風潮が東アジア諸国だけでなく、新興国全体に徐々に広がっていくかもしれない。いや、既に始まっている。これは、親中の広がりをもたらし、世界は新しい色に徐々に変化していってしまうのかもしれない。経済状況が悪いままなら大人しくしているのかもしれないが、状況が好転したら影響力をお金という麻薬によって拡大していくのは間違いない。
前から言っているように、今年は荒れる。悪い方向に荒れる。恐ろしい流れの始まりになっていくだろう。自分たちだけはその流れに抗って生きたいと思う。石破さんのリーダーシップも重大な局面に入る。
時まさに、間もなくトランプ大統領の就任式が始まるタイミング。トランプ劇場の幕が開く。彼は昨日「米国をかつてないほど偉大な国にする」と言っている。偉大とは何なのか。少なくとも尊敬という言葉からは離れていくことは間違いあるまい。多くの協調の枠組みから離れ、世界のため、地球のために力を合わせて・・・というリーダーシップは失せ、足並みを乱す困った存在という、ストレスを生む病原菌のような存在に成り下がっていくのだろうか。